うつ病や適応障害などで休職したとき、多くの方が気にするのは「いつ会社へ戻れるのか」ということではないでしょうか。
しかし、復職を考えるうえで本当に重要なのは、できるだけ早く会社へ戻ることではありません。
復職した後も、再び休職することなく働き続けられる状態へ戻ることです。
そのためには、
治療・休養 → 回復 → 心のリハビリ → 復職 → 就業継続
という段階を考える必要があります。
渋谷365メンタルクリニックでは、心療内科・精神科としての診察・治療に加えて、院内で医療リワークを提供しています。医療リワークでは、週5回の通所を基本として、グループワークやプレゼンテーション、ストレスマネジメント、認知行動療法などを行っています。
渋谷365メンタルクリニックの医療リワークについて
私たちが目指しているのは、単に「復職診断書を出すこと」ではありません。
患者様が再び働ける状態へ戻り、その後も働き続けられること。
そこまでを含めて、休職・復職を考える必要があります。
メンタル不調で休職したら、まず治療と休養から始める
休職すると、
「早く会社へ戻らなければ」
「同僚に迷惑をかけている」
「このままキャリアが止まってしまうのではないか」
と焦る方が少なくありません。
しかし、心身が十分に回復していない状態で復職を急いでも、結果的に再び体調を崩してしまう可能性があります。
休職は「失敗」ではない
休職は悪いことではありません。
必要なときに仕事から離れ、治療と休養に専念することも治療の一部です。
眠れない。
朝になると会社へ行けない。
仕事のことを考えると動悸がする。
集中力が低下し、ミスが増えた。
何をしても楽しく感じない。
こうした状態が続いている場合には、自分だけで「まだ大丈夫」と判断せず、心療内科・精神科への受診を検討してください。
「症状が良くなった」と「仕事ができる」は同じではない
治療を続けて症状が改善すると、主治医から復職を検討してもよいという判断が出ることがあります。
ここで知っておいてほしいことがあります。
医学的に症状が改善したことと、実際に会社で働き続けられることは同じではありません。
日常生活ができても、週5日働けるとは限らない
自宅では普通に生活できる。
買い物にも行ける。
友人とも会える。
趣味も楽しめる。
これは重要な回復です。
しかし仕事では、
毎朝決まった時間に起きる。
通勤する。
何時間も集中する。
上司や同僚とコミュニケーションを取る。
期限のある仕事を進める。
失敗や予定変更にも対応する。
そして、それを週5日続けます。
日常生活と仕事では求められる負荷が大きく違います。
リワークとは?スポーツでいえば「復帰前のリハビリ」
リワークという言葉はまだ一般には分かりにくいかもしれません。
簡単にいうと、メンタルヘルス不調から仕事へ戻るための「心のリハビリ」です。
プロスポーツ選手は、怪我が治った翌日に試合へ出ない
例えば、プロスポーツ選手が大きな怪我をしたとします。
治療を受け、医師から、「怪我は治りました。運動しても大丈夫です」と言われた。
だから翌日からいきなり公式戦へ出場する。
普通はしません。
歩く。
走る。
筋力を戻す。
基礎練習をする。
チーム練習へ戻る。
実戦に近い負荷をかける。
そして試合に耐えられる状態になってから復帰します。
なぜなら、「怪我が治った」と「試合で戦える」は違うからです。
メンタルヘルスにも「心のリハビリ」が必要
メンタルヘルスでも同じです。
主治医から「症状は改善している」と言われたから、翌週からいきなり週5日・フルタイムで働く。
これはスポーツに例えれば、リハビリも練習もせず、いきなり公式戦へ戻るようなものです。
だから、治療・休養 → 心のリハビリ → 復職という段階を作ります。
渋谷365メンタルクリニックの医療リワークで行うこと
渋谷365メンタルクリニックでは、院内で医療リワークを提供しています。
現在の公式ページでは、週5回の通所を基本として、グループワーク、プレゼンテーション、ストレスマネジメント、認知行動療法などを通じ、セルフケア・セルフマネジメントを学ぶプログラムを案内しています。
渋谷365メンタルクリニックの医療リワークについて
生活リズムを「働くリズム」へ戻す
まずは、
決まった時間に起きる。
決まった時間に外出する。
日中活動する。
一定時間集中する。
という生活へ戻していきます。
休職中に崩れてしまった生活リズムを、そのまま職場へ持ち込むのではなく、働ける生活へ戻していきます。
認知行動療法で考え方のクセを振り返る
体調を戻すだけでは十分ではありません。
例えば、
「失敗してはいけない」
「全部自分でやらなければならない」
「上司に注意されたということは、自分は評価されていない」
「100点でなければ意味がない」
といった考え方が、自分自身を必要以上に追い込んでいることがあります。
認知行動療法では、自分の考え方、感情、行動の関係を整理し、別の受け止め方や行動を選べるようにしていきます。
休職した原因を整理し、同じことを繰り返さない
なぜ休職したのか。
仕事量なのか。
人間関係なのか。
長時間労働なのか。
配置なのか。
完璧主義なのか。
複数の要因が重なっている場合もあります。
休職前と何も変わらない状態で職場へ戻れば、同じ負荷がかかったときに、再び不調になる可能性があります。
だからこそ、復職前に原因と対策を整理します。
医療リワークと福祉リワークの違い
リワークには、医療機関で行う「医療リワーク」と、自立訓練・就労移行支援などを利用する「福祉リワーク」があります。
どちらが優れているという話ではありません。
現在の状態と、復職までに何が不足しているかによって使い分けます。
医療リワークの特徴
医療リワークは精神科・心療内科などの医療機関で提供されます。
医師の診察を受けながら、
症状の安定。
生活リズム。
心理的な課題。
ストレスへの対処。
再発防止。
復職準備。
などに取り組めることが特徴です。
治療との距離を近く保ちながら復職準備をしたい方に適しています。
福祉リワークの特徴
福祉リワークでは、自立訓練・就労移行支援などの制度を活用し、
生活リズム。
体力。
集中力。
自己理解。
ストレス対処。
コミュニケーション。
仕事に近い活動。
復職後の定着。
などに取り組みます。
特に「症状は改善したが、実際の仕事へ戻る自信がない」という段階で検討しやすい選択肢です。
おすすめの福祉リワーク
福祉リワークを検討する場合、施設によってプログラムや拠点、支援方針が異なります。
ここでは代表的な2つのサービスを紹介します。
ニューロリワーク|「働ける状態に戻す」ことを重視
ニューロリワークは、自立訓練・就労移行支援等を利用した復職・就労支援サービスです。
2026年現在、全国23拠点、復職・就労実績1,654名、復職・就労後半年以上の就業継続率91.1%を公表しています。
生活習慣から整え、認知行動療法に基づくプログラム、ストレス対処、自己理解、復職準備などを行い、単に復職するのではなく「働ける状態」へ戻すことを重視しています。
渋谷365メンタルクリニックと同じMHTグループの関連サービスです。この関係性を明示したうえで、一つの選択肢として紹介しています。
リワーク・就労移行支援・自立訓練なら【ニューロリワーク】
リワークセンター(Rodina)|全国展開と豊富な復職実績
株式会社Rodinaが運営するリワークセンターも、福祉リワークの代表的な選択肢です。
2026年時点で累計3,000名以上の復職・就職実績、2025年度の職場復帰率90%、復職・就職先企業2,400社以上を公表しています。
生活習慣の改善、自己理解、ストレスマネジメント、コミュニケーション、キャリア、復職・就職後の定着支援などを提供しています。
リワークセンター
医療リワークと福祉リワーク、どちらが向いている?
治療との距離を近く保ちながら復職準備したい。
医師の診察と同じ場所でリワークに取り組みたい。
このような場合には医療リワークが向いています。
一方、
症状はある程度安定した。
生活から仕事へ徐々に負荷を上げたい。
職場復帰に近い準備をしたい。
という場合には福祉リワークも選択肢になります。
最初から自分だけで決める必要はありません。
主治医と相談しながら選んでください。
治療とリワークだけでは復職は完結しない
もう一つ忘れてはいけないのが、会社側の仕組みです。
本人が十分に治療やリワークへ取り組んでも、会社側に復職ルールがなければ、円滑な復職が難しくなることがあります。
主治医・リワーク・産業医・会社は役割が違う
主治医は「治療」を担当します。
リワークは「心のリハビリ」を担当します。
産業医は、本人の健康状態と実際の仕事内容の両方を踏まえ、就業について医学的な意見を述べます。
会社は最終的な復職判断を行い、勤務時間や仕事内容などを調整します。
どれか一つですべてを完結させるものではありません。
おすすめの産業保健会社
勤務先に十分な産業保健体制がない場合、企業が外部の産業保健サービスを利用する方法があります。
以下は患者様個人が契約するサービスではなく、企業・人事向けのサービスです。
産業医クラウド|産業医・保健師・休復職支援まで対応
株式会社Avenirが運営する産業医クラウドは、全国560名以上の産業医が稼働し、3,500社以上・22,000事業場以上への導入実績を公表しています。
産業医の紹介だけではなく、産業保健師、ストレスチェック、メンタルヘルス、休職・復職支援、ニューロリワークとの連携まで提供しています。
企業として休職・復職の仕組みを整えたい場合に検討できるサービスです。
産業医クラウドも渋谷365メンタルクリニックと同じMHTグループの関連サービスです。
産業医クラウド
産業医グループこころみ|精神科医によるメンタルヘルス対応を重視
株式会社産業医グループこころみは、精神科医が中心となって提供する産業医サービスです。
公式サイトでは、東京・大阪・札幌を対象に、実際に臨床診療を行う精神科医が産業医を担当し、メンタルヘルスやストレスチェックの面談も精神科医が対応するとしています。企業担当者が産業医へ直接相談できることや、産業保健体制をゼロから構築する支援も特徴です。
精神科医の産業医と直接相談したい企業にとって、一つの選択肢です。
産業医グループこころみ
復職で重要なのは「戻ること」ではなく「働き続けること」
復職日が決まると安心します。
しかし、本当のゴールはそこではありません。
1か月後。
3か月後。
6か月後。
その人が働き続けられているか。
スポーツ選手も、怪我が治った日をゴールにはしません。
リハビリをする。
練習へ戻る。
試合に復帰する。
その後もプレーを続ける。
メンタルヘルスも同じです。
治療する。
必要なら心のリハビリをする。
働ける状態を確認する。
会社側も復職できる環境を整える。
その後も働き続ける。
渋谷365メンタルクリニックでは、診察・治療だけではなく、院内の医療リワークまでつなげることができます。
さらに、必要に応じて福祉リワークや企業側の産業保健を活用する。
私たちが目指したいのは、単に会社へ戻すことではありません。
患者様が再び働き、その後も働き続けられる状態へ戻ることです。