睡眠時遊行症(夢遊病)
睡眠時遊行症(夢遊病)とは、深いノンレム睡眠から脳が完全には目覚めないまま、起き上がる、歩く、物を動かすなどの行動が現れる睡眠時随伴症です。主に睡眠前半に起こり、目を開けていても周囲への反応は乏しく、翌朝の記憶も少ないことが一般的です。子どもに多く、成長とともに減少する場合がありますが、けがの危険や生活への支障があるときは、単なる寝ぼけではなく睡眠障害として評価する必要があります。
特徴
睡眠時遊行症では、ベッドに座る、部屋を歩く、着替える、飲食する、物を移動する、玄関を開けるなど、さまざまな行動がみられます。発作中は判断力が十分ではなく、話しかけても反応が乏しい場合があります。注意点は、けいれんがないことだけで夜間のてんかんを否定できないことです。短く同じ動作を何度も繰り返す、睡眠後半に夢に合わせて殴る・蹴る動作が現れる場合は、ほかの睡眠障害や神経疾患との鑑別が必要です。
どんな人がなりやすいの?
睡眠時遊行症は幼児期から学童期に多く、家族にも睡眠時遊行症や睡眠時驚愕症の経験者がいる人では、起こりやすい傾向があります。睡眠不足、疲労、発熱、ストレス、不規則な生活などが誘因となることもあります。また、睡眠時無呼吸症候群など、睡眠を繰り返し中断させる病気が背景にある場合もあります。一部の睡眠薬では類似した複雑睡眠行動が起こることがあるため、服薬開始後の異常行動は自己判断せず、処方医へ速やかに伝えてください。
どうしたらいいの?
対応プログラムの第一の目的は、発作を無理に止めることではなく、本人と家族の安全を守ることです。床や通路を整理し、窓・階段・刃物・火器・車の鍵などへの対策を行います。ただし、災害時の避難を妨げる施錠は避けてください。発作中は大声で起こしたり強く押さえたりせず、危険がなければ穏やかに寝床へ誘導します。発生時刻、行動内容、睡眠時間、いびき、飲酒、服薬を記録し、十分な睡眠と規則的な生活を確保することも大切です。
まとめ
睡眠時遊行症への対応を成功させるポイントは、本人を叱らず、安全対策、睡眠不足の改善、背景にある病気や薬剤の確認を組み合わせることです。毎回ほぼ同じ時刻に起こる子どもの事例では、専門家の指導で予定覚醒法を検討する場合もあります。けがをする、屋外へ出る、頻繁に繰り返す、強いいびきや呼吸停止、日中の眠気を伴う、成人後に初めて現れた場合は、睡眠外来・脳神経内科・小児科などへ相談してください。
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