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場面緘默(選択性緘默)

目次

場面緘黙(選択性緘黙。「場面緘默」と表記されることもあります)は、家庭などでは話せる一方、学校や職場など特定の社会的状況で発話が継続して難しくなり、学習・仕事・対人関係に支障が生じる不安症です。

「選択性」は、本人が沈黙を選んでいるという意味ではありません。評価の目的は、状態が1か月以上続き、入学直後など一時的な緊張だけではないかを確認することです。使用言語への不慣れ、聴力・発声・言語発達の問題だけで説明できないかも調べます。

特徴

話せる程度は、場所、相手、人数、注目の集まり方によって変わります。事例として、家では会話できても教室では返事ができない、友人には小声で話せても先生には話せない状態があります。

強い不安により、笑う、咳をする、視線を向ける、身ぶりや筆談を使うことまで難しくなり、体や表情が固まる場合もありますが、全員にみられる症状ではありません。トイレ、痛み、体調不良を伝えられない、質問できず授業へ参加しにくいなど、発話以外の生活上の支障も確認します。

どんな人がなりやすいの?

場面緘黙は幼児期に始まることが多く、入園・入学など家庭外で話す機会が増えて初めて気づかれる場合があります。支援がないまま思春期・成人期まで影響が続くこともありますが、おとなしい、まじめといった性格だけが原因ではありません。不安を感じやすい気質や発話・言語上の困難との関連が報告されています。

社交不安症との重なりや、発達障害、吃音、聴力・言語発達を確認し、第二言語を学び始めた時期の一時的な沈黙とも区別します。

どうしたらいいの?

学校などで話せない状態が続く場合は、小児科・児童精神科・精神科、言語聴覚士、スクールカウンセラーへ相談してください。受診前には、誰と、どこで、どの声量なら話せるか、身ぶり・筆談など何を使えるかを場面別に記録します。

支援プログラムの目的は発話を強制することではなく、不安を下げながら意思表示と発話の範囲を広げることです。内容には環境調整、段階的曝露、刺激フェーディング、シェイピングなどがあります。突然指名する、返答を急かす、人前で大きく褒めることは避けます。薬物療法は根拠が限られ、強い不安や併存症がある場合に専門医が補助的に検討します。

まとめ

場面緘黙は、わがままや反抗ではなく、特定の状況で発話が難しくなる不安症です。支援の成功は、大勢の前ですぐ話せることだけではありません。カードや筆談で体調を伝えられる、安心できる相手へ小声で答えられる、必要な助けを求められるなど、本人の不安と生活上の支障が減る変化も重要です。代替手段は取り上げず、安全な意思表示を確保したうえで、家庭・学校・医療が同じ段階表で発話練習を進めます。

飲食・排泄・痛みを伝えられない、不登校や抑うつがある場合は早めに相談し、突然どの場面でも話せなくなった場合は身体疾患も確認します。