心身症


心身症とは、身体疾患のうち、その発症や経過にストレス、人間関係、生活環境などの心理・社会的要因が密接に関係する病態です。独立した一つの病名ではなく、うつ病や不安症などの精神疾患に伴う身体症状とも区別されます。
検査で異常が見つからないことが条件ではなく、胃潰瘍のような器質的な変化がある場合と、過敏性腸症候群(IBS)のように機能の乱れが中心となる場合があります。診療の目的は、症状を「気のせい」と片づけず、身体疾患の治療と心理・社会面の調整をあわせて進めることです。
特徴

心身症では、試験、進学、仕事、人間関係などの負担が強まる時期に、身体症状が始まったり、もともとの病気が悪化したりします。事例として、試験前に腹痛や下痢が増える、仕事の負担が高まると頭痛や胃の痛みが強くなる状態が挙げられます。
過敏性腸症候群(IBS)なども、心理・社会的要因が経過に密接に関係する場合は心身症として捉えます。一方、動悸や倦怠感が不安症(不安障害)やうつ病に伴うこともあり、同じ身体症状でも背景は異なります。どんな人がなりやすいの?

心身症は、まじめな人やストレスに弱い人だけに起こるものではありません。長期間の学業・仕事・家庭の負担、睡眠不足、生活リズムの乱れ、身体疾患の治療負担、相談相手の少なさなどが重なると、症状が悪化しやすくなります。学生では、受験、進学、部活動、友人関係の変化をきっかけに、腹痛や頭痛、吐き気などが続く事例があります。
本人がストレスを自覚していない場合もあるため、性格を原因と決めつけず、「いつ・どこで・何をしていると悪化するか」を確認しましょう。不安や気分の落ち込みも続く場合は、適応障害などの併存も評価します。
どうしたらいいの?

身体の不調が続く場合は、最初から心身症と自己判断せず、腹痛なら内科・消化器内科、皮膚症状なら皮膚科など、症状に合った診療科を受診してください。受診前に、症状の時間、強さ、食事、睡眠、学校・仕事での出来事、服薬状況を記録すると役立ちます。治療プログラムの内容は、身体疾患そのものの治療を基本に、生活調整、心理教育、リラクセーション、必要に応じた心理療法などを組み合わせます。
改善を成功に近づける注意点は、検査を受けずに「ストレスのせい」と決めつけず、処方薬を自己判断で中断しないことです。心療内科の診療範囲は医療機関ごとに異なるため、予約前に確認しましょう。
まとめ

心身症は、心理・社会的要因が発症や経過に深く関係する身体疾患の病態です。症状は実際に生じており、本人の思い込みや努力不足によるものではありません。まず身体疾患を適切に調べ、その治療を行ったうえで、ストレス、睡眠、生活環境なども整えることが大切です。
渋谷365メンタルクリニックでは、身体症状に重なる不安症(不安障害)やうつ病などの心の不調を相談できます。
激しい胸痛、強い呼吸困難、意識消失、吐血・下血、急激な症状の悪化がある場合は、心身症と判断せず、救急要請を含めて早急に対応してください。
からだの不調