ナルコレプシー
ナルコレプシーは、十分な睡眠時間を確保していても、抑えにくい日中の眠気や居眠りが3か月以上続く中枢性過眠症です。Ⅰ型では、情動脱力発作と睡眠検査所見、または脳脊髄液中のオレキシン低値などを基に診断します。Ⅱ型では情動脱力発作がなく、検査所見を満たしたうえで、睡眠不足やほかの病気を除外します。本人の意思や努力不足ではなく、睡眠と覚醒を調節する脳の働きに関係する慢性の睡眠障害です。
特徴
中心症状は、授業・会議・食事中など、本来は起きている場面でも生じる強い眠気です。短く眠ると一時的にすっきりする場合がありますが、再び眠くなることがあります。Ⅰ型の情動脱力発作では、笑い・驚き・怒りをきっかけに、意識を保ったまま顔や首、膝の力が抜けます。睡眠麻痺、入眠時・覚醒時の幻覚様体験、夜間睡眠の分断、自動行動を伴う場合もありますが、すべての症状がそろうわけではない点が注意点です。
どんな人がなりやすいの?
ナルコレプシーは思春期から若年成人期に症状が目立つことが多いものの、どの年代でも発症する可能性があります。遺伝的ななりやすさや免疫学的な仕組みが関係すると考えられていますが、家族歴がない人も少なくありません。居眠りが「夜更かし」「怠け」と誤解され、診断が遅れる事例もあります。一方、日中の眠気は睡眠不足、睡眠時無呼吸症候群、特発性過眠症、薬剤、うつ病でも起こるため、眠気だけで自己判断しないことが大切です。
どうしたらいいの?
十分に眠る生活を続けても強い眠気が改善せず、学校や仕事に支障がある場合は、睡眠専門外来へ相談してください。診断の目的は、ナルコレプシーの特徴を確認し、睡眠不足やほかの睡眠障害を除外することです。検査内容には、睡眠日誌や活動量計による事前確認、終夜睡眠ポリグラフ検査、翌日の反復睡眠潜時検査などがあります。治療プログラムでは、症状に応じた薬物療法、規則的な睡眠、計画的な短時間仮眠を組み合わせます。薬を自己判断で中止しないでください。
まとめ
ナルコレプシーへの対応を成功につなげるには、睡眠時間、居眠りの時刻、脱力発作、服薬状況を記録し、治療と環境調整を継続することが大切です。学生の事例では、保健室での短時間仮眠、試験中の休憩、授業資料の共有などを、診断書や主治医の意見を基に学校と相談する場合があります。職場でも休憩時間や危険業務の見直しが必要です。治療後も眠気が残る可能性があるため、運転や高所・機械作業については主治医と相談し、安全を最優先にしてください。
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