公開アイコン公開: 更新アイコン更新:

周産期うつ病

目次

周産期うつ病は、妊娠中から出産後の一定期間にみられるうつ病です。気分の落ち込みや楽しさの低下だけでなく、強い不安、自責感、集中力低下などが続き、食事、睡眠、家事、育児、仕事に支障が現れます。

原因はホルモン変化だけではなく、身体的な負担、睡眠不足、家族関係、経済的不安などが重なって生じます。

相談の目的は親としての能力を評価することではなく、うつ病としての状態と安全性を確認し、本人と赤ちゃんに必要な支援を整えることです。

特徴

周産期うつ病では、赤ちゃんをかわいいと思えない、育児を楽しめない、自分は親失格だと責めるといった症状が現れることがあります。赤ちゃんが眠っていても眠れない、食欲が落ちる、判断できないなどの変化も重要です。産後早期に起こり、多くは短期間で軽くなるマタニティブルーズとは区別が必要です。

注意点は、2週間を待たず、家事や育児ができない、死にたい気持ちがある場合は早急に相談することです。幻覚、妄想、強い混乱があれば、産褥精神病の可能性があり緊急対応が必要です。

どんな人がなりやすいの?

周産期うつ病は、性格の弱さや育児能力の不足で起こるものではなく、明確なリスクがない人にも生じます。過去にうつ病双極症(双極性障害)を経験した人、妊娠中から不安や不眠がある人、支援が少ない人、DVや経済的不安、出産・赤ちゃんの健康上の問題を抱える人は注意が必要です。たとえば、夜間育児を一人で担い、眠れないまま自分を責め続ける事例があります。過去に睡眠が少なくても活動的だった時期があれば、産婦人科と精神科の双方へ伝えましょう。

どうしたらいいの?

まず、産婦人科、精神科・心療内科、助産師、自治体の保健師へ相談し、睡眠、食事、育児状況、死にたい気持ちの有無を伝えます。

支援プログラムの内容は、休養の確保、夜間育児や家事の分担、心理療法、必要に応じた薬物療法などです。EPDSは早期発見に役立つ質問票ですが、点数だけで診断はできません。妊娠中・授乳中の薬は、病状を放置する影響と母子への影響を比較して個別に決めるため、自己判断で中断しないでください。働いている場合は、上司、人事、産業医へ業務調整や休業も相談しましょう。

まとめ

周産期うつ病からの回復を成功に近づけるには、本人だけに育児や休養の工夫を求めず、家族、産婦人科、精神科、地域、職場が連携することが重要です。家族は安易に励ますのではなく、睡眠の確保、食事、育児、受診を具体的に支えてください。

落ち込みや不安が続く場合は、不安症(不安障害)双極症(双極性障害)なども含めて相談しましょう。死にたい、赤ちゃんを傷つける意図がある、幻覚・妄想や強い混乱がある場合は、本人と赤ちゃんを二人きりにせず、119番や精神科救急へ連絡してください。