マタニティブルーズ
マタニティブルーズとは、出産直後から産後1週間ごろに現れやすい、一過性の気分や体調の変化です。理由なく涙が出る、不安になる、気分が落ち込むなどの症状がみられます。医学的な診断基準はなく、多くは自然に軽くなりますが、つらさを我慢する必要はありません。
背景には出産後の身体変化だけでなく、分娩による疲労や痛み、睡眠不足、授乳・育児への緊張など、複数の要因が関係します。状態を知る目的は、母性や性格の問題と決めつけず、早めに休養と支援へつなげることです。
特徴
主な特徴は、涙もろさ、気分の落ち込み、不安、緊張、イライラ、困惑、不眠、疲労感、食欲低下、集中しにくさなどです。症状には波があり、数時間から1~2日ほど強く現れた後に落ち着くことがあります。一方、強い落ち込みや楽しさの低下、自責感が続く、赤ちゃんが眠っていても眠れない、食事や身の回りのことができない場合は、周産期うつ病との区別が必要です。注意点は、症状が強ければ2週間を待たず相談することです。
どんな人がなりやすいの?
マタニティブルーズは初産・経産を問わず、出産した人の誰にでも起こり得るため、特定の性格だけで「なりやすい人」を決めることはできません。
難産や帝王切開などで身体的負担が大きい、痛みや夜間授乳で眠れない、赤ちゃんの健康に不安がある、周囲の支援が少ないといった状況では、つらさが強まることがあります。
過去にうつ病や双極症(双極性障害)の治療歴がある場合は、産後の再発に備えて産婦人科と精神科の双方へ伝えましょう。
どうしたらいいの?
支援の目的は、本人に気持ちを切り替えさせることではなく、睡眠と身体の回復を助け、育児負担を一人に集中させないことです。
家族は、授乳後のおむつ交換、抱っこ、食事、洗濯、買い物、来客対応などを具体的に分担し、本人が続けて休める時間をつくります。
支援プログラムの内容として、自治体の産後ケア、助産師・保健師の訪問、家事育児支援も活用しましょう。症状、睡眠、食事を記録し、改善しない場合は産婦人科や精神科・心療内科へ相談してください。
まとめ
マタニティブルーズは、多くの場合は自然に軽快しますが、母性や努力の不足を示すものではありません。回復を成功に近づけるには、本人だけに頑張らせず、家族、産婦人科、助産師、自治体が連携して、休養と育児支援を具体的に整えることが重要です。
不安や不眠が続く場合は、不安症(不安障害)や睡眠障害も含めて相談しましょう。
死にたい気持ち、自傷の危険、赤ちゃんを傷つける具体的な意図、幻覚・妄想、強い混乱がある場合は、母子を二人きりにせず119番や精神科救急へ連絡してください。
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