パニック症(パニック障害)

パニック症(パニック障害)とは、ある日突然、強い不安や動悸(どうき)、息苦しさなどが急にあらわれ、「このまま倒れてしまうのでは」と感じるような発作が起きる病気です。
たとえば、授業中や仕事中、電車の中などで、理由もなく胸がドキドキし、呼吸が浅くなり、頭が真っ白になるような体験をすることがあります。
この発作はたいてい数分~30分ほどでおさまりますが、「また起きたらどうしよう」と不安になり、生活に影響が出てくるようになります。
特徴

パニック症の特徴は、「突然の強い恐怖」と「体の反応」がセットであらわれることです。
たとえば、「心臓がバクバクして苦しい」「息が吸えない」「このまま死んじゃうのでは」と感じるほどの怖さがあります。
そして、発作が何度も起こると、「次はいつ?」「また電車で起きたらどうしよう」と考えるようになり、外出や人混みを避けるようになることがあります。
これを「予期不安」や「広場恐怖」といいます。こうした不安が、日常生活をむずかしくしてしまうのです。
どんな人がなりやすいの?

パニック症は、誰にでも起こる可能性があります。とくに、まじめでがんばり屋な人や、人に迷惑をかけたくないと思う人、体の変化に敏感な人がなりやすい傾向にあります。
また、環境の変化やストレスが続いたとき、たとえば進学・部活・友人関係の悩みなどがきっかけになることもあります。
思春期は心も体も大きく変わる時期なので、中学生や高校生でも起こりやすい病気です。「性格のせい」や「弱いから」ではありません。
どうしたらいいの?

まず、「気のせい」や「がまんすればいい」と思わないでください。パニック症は、医療の力でしっかり治せる病気です。
心療内科や精神科では、不安をやわらげるお薬(主に抗うつ薬)を使った治療や、「次に発作が起きても大丈夫」と思えるようになるためのカウンセリング(認知行動療法)を行います。
学校では、保健室の先生やスクールカウンセラーに相談するのも大切な一歩です。ゆっくりでも、一緒に考えてくれる人はきっといます。
まとめ
パニック症は、体と心が「もう限界」と教えてくれている大事なサインです。

あなたが弱いからでも、だらしないからでもありません。とてもがんばってきた証です。「つらい」と感じたら、声に出してみてください。話せる誰かがいることは、それだけで安心につながります。
治療すれば、「また安心して出かけられる」「普通の生活を楽しめる」日がちゃんと戻ってきます。
少しずつで大丈夫。あなたは、ひとりではありません。
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