全般不安症


全般不安症(全般性不安障害/GAD)とは、学業、仕事、健康、家族、金銭、将来など複数の出来事を過剰に心配し、その考えを自分で制御しにくくなる不安症です。
心配の対象が次々に移り、対策をしても安心が長続きしないため、睡眠や集中力、日常生活に影響することがあります。
一般に6か月以上の経過を確認しますが、受診まで待つ必要はありません。「心配性な性格」と決めつけることではなく、症状の背景と生活への支障を整理し、不安症(不安障害)に合った治療へつなげることが必要です。
特徴

全般不安症では、「試験に失敗して進路を失うかもしれない」「家族が病気になるかもしれない」など、複数の問題を繰り返し心配します。落ち着かなさ、疲れやすさ、集中困難、苛立ち、肩や首の緊張、頭痛、腹痛などを伴い、睡眠障害につながることもあります。
若い人では、朝の起床困難、保健室利用、成績低下として現れる場合があります。通常の心配との違いは、心配を切り替えにくく、勉強・仕事・人間関係が損なわれている点です。
どんな人がなりやすいの?

全般不安症は、意志が弱い人や、まじめで頑張りすぎる人だけに起こるものではありません。不安を感じやすい気質、家族歴、生活環境、長期的な負担など、複数の要因が関係する可能性がありますが、原因を一つに特定できないこともあります。
事例として、進路、課題、家族の健康を同時に心配し、準備や相談を繰り返して勉強できなくなる場合があります。
突然の発作が中心ならパニック障害(パニック症)、特定の考えと確認行為が中心なら強迫症との区別が必要です。
どうしたらいいの?

まず、心配の内容、続いた時間、身体症状、睡眠、避けた行動、学校・仕事への影響を記録し、精神科・心療内科へ相談します。動悸やめまいが強い場合は、身体疾患を確認するため内科受診も必要です。
治療プログラムの内容は、心理教育、認知行動療法、生活・学業・業務負担の調整、必要に応じた薬物療法です。
認知行動療法では、不安を維持する考え方や回避・確認を整理し、段階的に対応方法を学びます。成人ではベンラファキシンも選択肢ですが、薬を自己判断で増減・中断しないことが注意点です。
まとめ

全般不安症の改善を成功に近づける目標は、心配を完全になくすことではなく、心配に費やす時間を減らし、睡眠、通学、仕事、人間関係など大切な生活を取り戻すことです。
家族や周囲は「考えすぎ」と否定せず、毎回答えを保証して安心させ続けるのではなく、受診や現実的な問題解決を支えましょう。
不安に加えて、楽しさの低下、強い自責感、食欲低下が続く場合は、うつ病の併存も確認します。死にたい気持ちや具体的な計画がある場合は、一人にせず緊急の医療支援へつないでください。
こころの不調