境界性パーソナリティ障害(ボーダーラインパーソナリティ症/BPD)

境界性パーソナリティ障害/ボーダーラインパーソナリティ症(BPD)は、「こころのバランス」がとりづらくなる病気です。
人との関係や感情の波がとても大きく、「ひとりになるのがこわい」「誰かにすがりたい」といった強い不安を感じやすくなります。
最近では「ボーダー」とも呼ばれることがあり、主にカウンセリングによってゆっくりと回復を目指していく病気です。
性格の問題ではなく、こころの傷や不安が深く関係しています。
特徴

境界性パーソナリティ障害/ボーダーラインパーソナリティ症(BPD)の特徴は、感情や対人関係がとても不安定になることです。
例えば、「見捨てられた」と感じると、強く怒ったり、不安でいっぱいになったりします。
また、人を急に理想化したかと思えば、少しのことで「もう信じられない」と突き放してしまうなど、感情の振れ幅が大きくなります。
自分の考えや好みがコロコロ変わる、むなしい気持ちが続く、自分を傷つけてしまうといった行動が見られることもあります。
これらは、心の中の強い苦しさを抱えているサインです。
どんな人がなりやすいの?

子どものころに、大人からの十分な愛情や安心感を受けられなかったり、こころが深く傷つくような経験をしたことがある人は、よりなりやすい傾向にあります。
また、自分に自信がなかったり、感情を抑えるのが苦手だったりする人が、心のバランスを崩しやすくなることもあります。
誰にでも起こりうるこころの問題であり、ひとりで悩む必要はありません。
どうしたらいいの?

まずは、自分が苦しんでいることに気づき、信頼できる大人や専門家に相談してみることが大切です。
この病気では、薬よりもカウンセリング(心理療法)が効果的です。
なかでも、弁証法的行動療法(DBT)という方法は、気持ちの波に対処する力を身につける助けになります。
また、自分を傷つけずに気持ちを表現できる方法を学んだり、人との関係を少しずつ見直していくことが、回復への大事な一歩になります。焦らず、少しずつで大丈夫です。
まとめ

境界性パーソナリティ障害/ボーダーラインパーソナリティ症(BPD)は、「見捨てられる不安」や「感情のゆれ」によって、人との関係や自分自身への思いが不安定になるこころの病気です。
原因はさまざまですが、過去のつらい体験が背景にあることが多く、決して性格のせいではありません。
早めに相談し、適切なサポートを受けることで、自分を守る方法を学びながら少しずつ前に進むことができます。
あなたには、よくなっていく力があることを忘れないでください。
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