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空の巣症候群

目次

「空の巣症候群」は、子どもが進学・就職・結婚などで家を離れた後、親や養育者に寂しさ、空虚感、役割を失った感覚などが現れる状態を表す通称で、正式な診断名ではありません。子どもの自立は喜ばしい出来事でも、長年続いた生活リズムや家族内での役割が大きく変わるため、喪失体験のように感じることがあります。

気持ちが次第に落ち着く場合もありますが、生活への支障が続くときは、うつ病適応障害などを含めて状態を確認することが大切です。

特徴

空の巣症候群では、家が急に静かになったと感じる、何を目的に過ごせばよいか分からない、自分は必要とされていないと考えるなどの変化がみられます。涙もろさ、集中力低下、食欲の変化、寝つきの悪さ、強い疲労感などを伴うこともあります。

ただし、寂しさや一時的な不眠だけで病気とは判断できません。以前楽しめたことを楽しめない、家事や仕事ができない状態が続く場合はうつ病、睡眠の問題が日中にも影響する場合は睡眠障害も含めた評価が必要です。

どんな人がなりやすいの?

空の巣症候群は母親だけに起こるものではなく、父親やほかの養育者にも生じ得ます。子育てが生活や自己評価の中心だった人、家族以外の役割や交流が少なかった人は、子どもの独立後の変化を大きく感じる場合があります。

たとえば、毎日の食事や送迎を担ってきた親が、子どもの進学後に予定を失い、外出を避けるようになる事例です。更年期、親の介護、退職、夫婦関係の変化などが同じ時期に重なることもあります。性格や努力不足と決めつけず、重なっている負担を整理することが重要です。

どうしたらいいの?

対策の目的は、寂しさを無理に消すことではなく、子どもの自立を受け止めながら、自分の生活を少しずつ組み直すことです。まず睡眠、食事、気分、外出回数を記録し、生活の土台を整えます。そのうえで、友人との交流、運動、仕事、学び、地域活動などから負担の少ない内容を一つ選びましょう。注意点は、気分転換を急いで予定を詰めたり、子どもに回復の責任を負わせたりしないことです。不調が続く場合は医療機関へ相談し、診断に応じて休養、心理的支援、薬物療法などを個別に検討します。

まとめ

空の巣症候群からの回復を成功に近づけるには、「早く元気にならなければ」と焦らず、睡眠や食事を保ちながら、子育て以外の役割や人間関係を少しずつ取り戻すことが大切です。家族は安易に励ましたり趣味を押しつけたりせず、本人の話を聞き、必要に応じて受診を支えてください。

落ち込み、不眠、食欲低下、強い不安が続き、家事や仕事に影響している場合は、うつ病適応障害不安症(不安障害)なども含め、渋谷365メンタルクリニックへご相談ください。「消えたい」「死にたい」という思いがある場合は、一人にならず救急医療機関や119番へ助けを求めてください。