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心的外傷後ストレス症

目次

心的外傷後ストレス症(PTSD)とは、生命の危険、重いけが、性的暴力など、極めて脅威的な出来事を体験・目撃した後に、つらい記憶の再体験、回避、強い警戒状態などが続き、生活へ支障が生じる病気です。

親しい人に起きた暴力的・偶発的な出来事を知った場合や、救援・捜査などの職務で惨事の詳細に繰り返し接した場合も関係します。体験後の動揺は自然な反応であり、全員が発症するわけではありません。

つらさを比較することではなく、症状と安全性を確認して必要な支援へつなげることが必要です。

特徴

主な症状には、苦痛な記憶や悪夢などの侵入症状、体験を思い出す場所や会話を避ける回避、自責感や興味の低下など認知・気分の変化、不眠や過剰な警戒などがあります。

フラッシュバックは、出来事が今起きているように感じる侵入症状の一つで、全員に現れるわけではありません。若い人では、苛立ち、腹痛、集中困難、欠席や成績低下が目立つ場合もあります。

症状の組み合わせと生活への影響を確認し、一つの症状だけで自己診断しないことが注意点です。

どんな人がなりやすいの?

PTSDは、心が弱い人や我慢できない人に起こる病気ではありません。出来事が反復的である、重い負傷を伴う、過去にもトラウマ体験がある、被害後も危険が続く、周囲から十分な支援を得にくい場合などに発症リスクが高まることがあります。事例として、事故後に車の音で強い恐怖がよみがえり、通学路を避けて欠席が増えるケースがあります。

PTSD症状に加えて、感情調整、自己評価、対人関係の困難が続く場合は、複雑性PTSDも含めた専門的な評価が必要です。

どうしたらいいの?

まず、現在も暴力や虐待などの危険が続いていないかを確認し、安全な場所と相談先を確保します。受診時には体験を詳しく話す必要はなく、悪夢、侵入記憶、避けていること、睡眠、通学・仕事への影響、自傷や飲酒の変化などを伝えれば構いません。治療プログラムの内容には、トラウマ焦点化認知行動療法、認知処理療法、持続エクスポージャー療法、EMDRなどがあります。

すべてを行うのではなく、年齢、症状、本人の希望に応じて選び、無理に体験を語らせないことが重要です。

まとめ

回復を成功に近づける目標は、出来事を忘れることではなく、記憶に生活を支配されず、安全に通学・勤務や人間関係を続けられる状態を取り戻すことです。家族や周囲は「早く忘れるべき」と励ましたり、体験を無理に聞き出したりせず、本人が話せる範囲を尊重してください。

悪夢や睡眠障害、気分の落ち込み、飲酒の増加が続く場合は早めの相談が必要です。現在も被害が続く、自傷・過量服薬がある、具体的な自殺計画がある場合は、一人にせず安全確保と緊急の医療支援を優先します。