公開アイコン公開: 更新アイコン更新:

イネイブリング

目次

イネイブリングとは、依存症などの問題を抱える本人を助けようとして、借金の返済、欠勤の言い訳、問題の隠蔽などを繰り返し、結果として問題行動が続きやすくなる関わり方です。正式な病名や性格分類ではなく、人ではなく行動のパターンを表します。支援の目的は本人を突き放すことではなく、安全や治療につながる手助けと、責任の肩代わりを区別することです。アルコール依存症ギャンブル障害などで、家族が直面することがあります。

特徴

イネイブリングの事例には、飲酒やギャンブルによる借金を繰り返し返す、本人の代わりに学校・会社へ事実と異なる説明をする、酒代や賭け金になる現金を渡す、問題を周囲から隠し続けることなどがあります。ただし、食事、住居、医療、子どもの生活を守る支援や、急性中毒時の救急要請までやめる必要はありません。判断のポイントは、その対応が安全や治療を支えているか、本人が自分の行動の結果に向き合う機会を継続的に奪っていないかです。

どんな人がなりやすいの?

イネイブリングは、優しい人や責任感の強い人だけが行うものではありません。本人の怒りや暴力が怖い、生活費や住居を共有している、子どもへの影響を避けたい、家族の問題を知られたくない、相談先が分からないなど、さまざまな事情から肩代わりが続く場合があります。対応に追われ、家族が睡眠、健康、仕事、家計を損なうこともあります。共依存と関連して語られますが、同じ意味ではなく、どちらも人を決めつける診断名ではありません。

どうしたらいいの?

まず、「続ける支援」と「やめる肩代わり」を書き出します。受診先を探す、緊急時に救急要請する支援は続け、借金の返済、虚偽の連絡、酒代や賭け金になる現金の提供は専門家と相談して見直します。家族支援プログラムの内容には、依存症の理解、CRAFTなどを用いた伝え方、境界線、安全計画、家族自身のセルフケアがあります。対応を成功に近づける注意点は、本人を無理に変えようとせず、「私は借金を返さない」など自分が実行できる方針を決めることです。

まとめ

イネイブリングを見直す目的は、本人に罰を与えたり、困るまで放置したりすることではありません。依存行動を続けやすくする肩代わりを減らしながら、本人と家族の安全、治療への接続、生活の立て直しを目指します。本人が受診を拒んでも、家族だけで精神保健福祉センターや家族教室へ相談できます。暴力、脅迫、自傷・自殺、飲酒運転、意識障害がある場合は警察・救急を優先してください。アルコール離脱症状のおそれがある場合も、自己流で急に断酒させず医療機関へ相談しましょう。