イネイブリング
イネイブリングとは、本来その人自身が向き合うべき問題を、家族など周囲の人が代わりに処理してしまうことを意味します。
特にアルコール依存症の人が困っているときに、まわりが「助けてあげなきゃ」と考え、つい肩代わりしてしまうことが多くあります。
本人を守っているように見えても、結果的には問題の根本を見えづらくし、依存を長引かせてしまうことにつながります。
特徴
たとえば、お酒を飲みすぎて会社に行けない本人の代わりに、家族が「体調不良です」と電話を入れる。
酔って帰ってきて部屋を汚しても、黙って掃除をする。家計を支えるために、家族が過度に働く。
こうした行動は、本人にとって「自分は困っても誰かが何とかしてくれる」と思わせてしまい、依存から回復するチャンスを遠ざけてしまうのです。
どんな人がなりやすいの?
イネイブリングをしてしまう人は、相手を思う気持ちが強く、責任感のある人に多く見られます。
「あの人は弱いから私が何とかしなきゃ」「これをしないともっと悪化するかもしれない」と思ってしまい、つい手を差し伸べてしまうのです。
しかし、その優しさがいつしか「依存を支える行動」になってしまうことに、本人もなかなか気づけません。
どうしたらいいの?
まずは、「手助け」と「責任の肩代わり」は違うということを知ることが大切です。
本人が自分の問題と向き合うためには、あえて何もせず「待つ勇気」も必要です。
困った時は、信頼できる医療機関や支援団体に相談するのがおすすめです。
自分だけで抱えず、専門家の力を借りながら「支え方」を見直すことで、本人の回復にもつながります。
まとめ
イネイブリングは、一見すると優しさや愛情の表れのように見えますが、実際には依存症の人が問題に向き合うことを妨げる行動です。
家族にできる本当のサポートは、「一緒にいるけれど、問題は本人のもの」と線引きをすること。
つらい気持ちもあると思いますが、決して一人で抱え込まず、外部の助けを借りながら進んでいくことが大切です。
こころの不調