トゥレット症候群
トゥレット症候群は、18歳未満に発症し、1年以上にわたって「運動チック」と「音声チック」の両方がみられる状態を指します。
正式名称は「ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群」です。
チック症の多くは一時的ですが、その一部が慢性的に続く場合に診断されます。
頻度は約0.5%とされ、男性にやや多い傾向があります。
これは神経発達の特性の一つであり、しつけや性格の問題ではありません。
多くの方は思春期後半から成人期にかけて症状が軽減していきます。
特徴
まばたき、首振り、肩の動きなどの運動チックと、咳払い、声が出るなどの音声チックが繰り返し起こります。
多くの場合、症状の前に「出さないと落ち着かない」「ムズムズする」といった前駆衝動を感じます。
我慢は一時的に可能ですが、その後反動で強く出ることがあります。
汚い言葉が出てしまう「コプロラリア(汚言症)」は有名ですが、実際には少数例です。
集中していると軽くなり、緊張や疲労で悪化する傾向があります。
誤解やからかいが心理的負担になることも少なくありません。
どんな人がなりやすいの?
発症は5~10歳頃が多く、男児に多いと報告されています。
ADHDや強迫症、自閉スペクトラム症を併せ持つこともあり、注意のコントロールや衝動性の特性が関係する場合があります。
家族にチック症の既往があることもあり、遺伝的要因が示唆されています。
ただし、家庭環境や本人の努力不足が原因ではありません。
思春期に症状が強まることがありますが、成人期には軽快する例が多いのが特徴です。
どうしたらいいの?
まず、叱責や無理に止めさせることは避けてください。
指摘されるほど緊張が高まり、症状が悪化します。
学校では、症状を特別視しすぎず、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。
治療としては、
- 前駆衝動を別の動きに置き換える「ハビットリバーサル法」が有効です
- 生活に支障が強い場合には抗精神病薬を用いることがあります
今日からできることとして、
- 十分な睡眠をとること
- ストレスを減らす工夫
- 深呼吸などのリラクゼーションを習慣化すること
が挙げられます。
まとめ
トゥレット症候群は、運動チックと音声チックが慢性的に続く神経発達の特性です。
本人の意思で完全に止めることは難しく、周囲の理解が重要です。
汚言症は一部にみられる症状であり、すべての方に当てはまるわけではありません。
多くは成長とともに軽くなり、適切な支援があれば学業や社会生活を十分に送ることが可能です。
一人で抱え込まず、専門医に相談しながら安心できる環境を整えることが、健やかな成長につながります。
行動面の不調
からだの不調