せん妄
せん妄とは、身体の病気、手術、感染症、脱水、薬の副作用などが原因で、脳の働きが一時的に乱れ、注意力や意識が低下する状態です。突然、今が昼か夜か分からない、ここがどこか分からないといった「失見当識」が現れます。
数時間から数日という短期間で急に発症するのが大きな特徴です。認知症のように見えることがありますが、せん妄は原因が改善すれば回復する可能性があります。早期に気づき、原因を探ることが極めて重要です。
特徴
せん妄は急性発症であり、症状が一日の中でも変動します。特に夕方から夜にかけて悪化しやすく、「夜間せん妄」と呼ばれることもあります。注意力が散漫になり、会話が成り立ちにくくなります。タイプには、興奮や幻覚、妄想を伴う「過活動型」と、ぼんやりして反応が鈍くなる「低活動型」があります。後者は静かに見えるため見逃されやすい点が注意点です。統合失調症の幻覚とは異なり、せん妄は意識レベル自体が不安定になることが特徴です。
どんな人がなりやすいの?
高齢者に多いですが、若い人でも重い感染症、高熱、脱水、外傷、アルコール離脱、薬物の影響などで起こります。手術後や集中治療室での入院中も発症しやすい状況です。もともと認知症がある人はリスクが高まりますが、健康な若者でも極度の体調不良や睡眠不足が重なると発症することがあります。「年齢のせい」と決めつけず、急な変化に注意することが大切です。
どうしたらいいの?
せん妄が疑われた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。特に、急な混乱、発熱、強い興奮、意識の低下がある場合は緊急対応が必要です。治療の中心は原因の改善(感染症治療、脱水補正、薬剤調整など)です。周囲は強く否定せず、落ち着いた声で安心させます。時計やカレンダーを見える場所に置き、昼夜のリズムを整える環境調整も有効です。無理に現実を押し付けるより、安全確保と安心感を優先します。
まとめ
せん妄は、身体的原因によって脳の働きが一時的に乱れる急性の状態です。突然の混乱や時間・場所の見当識障害が特徴で、症状は変動します。認知症とは異なり、原因を治療すれば回復が期待できます。見逃さず、早期に医療機関へつなぐことが何より重要です。適切な対応によって、多くの場合は改善が可能です。不安に感じたら、迷わず専門家へ相談してください。
行動面の不調
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