カナー症候群(ウイングの3つ組)
カナー症候群は、自閉症の特徴を理解するために、児童精神科医ローナ・ウイングが示した「ウイングの3つ組」を満たすタイプを指す概念です。現在では、自閉スペクトラム症(ASD)の理解が進み、その中の典型的特徴を説明する枠組みとして位置づけられています。
これは性格や育て方の問題ではなく、生まれ持った脳の働き方の特性によって生じるものと考えられています。3つの領域を理解することで、「なぜ人とのやり取りが難しいのか」「なぜ特定のこだわりが強いのか」などが整理され、本人や周囲の理解につながります。
特徴
ウイングの3つ組は、「社会性」「コミュニケーション」「イマジネーション(想像性)」の3つの領域で特徴が見られる、という考え方です。まず“社会性”では、相手の感情や暗黙の了解を理解しにくく、人との距離感や関係づくりに戸惑いやすい傾向があります。
次に“コミュニケーション”では、言葉自体は話せても会話のやり取りがぎこちなくなったり、独特な言い回しをしたり、表情や視線を読み取りにくいことがあります。そして“イマジネーション”では、目の前にないことを想像したり、予想外の変化に対応することが苦手で、応用が利きにくいことがあります。これらは怠けているのではなく、「情報処理の仕方の違い」によるものです。
どんな人がなりやすいの?
カナー症候群の特徴は、生まれ持った脳の発達や情報処理の特性が関係していると考えられ、特定の性格や家庭環境だけで決まるものではありません。幼少期から特徴が見られることが多いですが、周囲に合わせて頑張ってきたために、成長してから困りごとが目立つこともあります。
これは“本人が悪い”のではなく、「特性」と「環境」のミスマッチによって生きづらさが生まれている場合が多いという点が重要です。珍しい状態ではなく、社会の中にも多くの人が生活しています。
どうしたらいいの?
まず、「異常」ではなく「生まれ持った特性」と理解することが安心につながります。学校生活や日常で困りごとがある場合は、一人で抱え込まず、保護者、先生、スクールカウンセラー、医療機関に相談することが大切です。診断や評価を受けることで、自分の特性を整理でき、支援や配慮につながります。
実生活では、予定を見える形に整理する、急な予定変更を減らす、分かりやすい言葉や手順で説明してもらうなどが役立ちます。周囲の人は、「理解の仕方や感じ方が違う」という前提で関わり、安心できる環境を整えることが大きな支えになります。
まとめ
カナー症候群(ウイングの3つ組)は、社会性・コミュニケーション・想像性の3つに特徴が現れる自閉症の理解枠組みです。困難を感じることがあっても、正しい理解と支援があれば、学校生活や将来の社会生活はより安心して送れるようになります。
「自分が悪いから」と考える必要はありません。不安や生きづらさを感じたときは、一人で抱え込まず相談することが、自分らしく生きるための大切な一歩となります。必要な支援は確実に存在しており、適切なサポートと環境調整で生きやすさは大きく変わります。
こころの不調
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