メランコリア


メランコリアは、日常語では「深い憂うつ」を表しますが、現在の精神医学では独立した病名ではありません。一般に「メランコリー型うつ病」と呼ばれることがありますが、正確には、うつ病の抑うつエピソードにみられる特徴を示す表現です。中心となるのは、ほとんどの活動で喜びを感じられないこと、良い出来事があっても気分が明るくならないことです。
症状の内容と重症度、自殺の危険性、身体疾患や薬の影響、双極症(双極性障害)の可能性を確認し、適切な治療につなげることが必要です。
特徴

メランコリアでは、喜びや興味の著しい低下に加え、朝に症状が強い、予定より早く目が覚める、食欲や体重が減る、必要以上に自分を責める、動作や会話が遅くなるといった特徴がみられます。反対に、強い焦りから座っていられず、歩き回ることもあります。事例として、合格や内定の知らせを受けても喜べない、好きだった動画や音楽に何も感じない、着替えや食事に長い時間がかかる状態が挙げられます。ただし、早朝覚醒や食欲低下だけで判断することはできません。うつ病の症状全体と生活への影響を医師が評価します。
どんな人がなりやすいの?
メランコリアは、真面目、几帳面、責任感が強いといった性格だけで起こるものではありません。かつては「メランコリー親和型」という性格傾向が論じられましたが、現在の診断基準では性格によって診断したり、発症を予測したりすることはできません。
うつ状態には、本人の体質や過去の病歴、身体疾患、服用中の薬、睡眠の乱れ、生活上のストレスなどが複雑に関係します。明確なきっかけがない事例もあります。以前に、睡眠が少なくても活発に動けた、普段より話し続けた、浪費した時期がある場合は、双極症(双極性障害)との鑑別が必要です。
どうしたらいいの?

楽しめない、食べられない、朝早く目が覚める、自分を強く責める状態が続く場合は、精神科・心療内科へ相談してください。受診前に、症状が始まった時期、睡眠時間、食事量、学校や仕事への影響、過去に気分や活動性が高まった時期、服用中の薬を記録すると役立ちます。
治療プログラムの内容は一律ではなく、診断と安全性の確認を行ったうえで、休養や環境調整、薬物療法、精神療法などを組み合わせます。治療を成功に近づける注意点は、薬を自己判断で中断せず、回復を急いで通学・出勤や運動を無理に再開しないことです。
まとめ

メランコリアは、単なる落ち込みや性格の名称ではなく、喜びの消失、気分反応の乏しさ、早朝覚醒、食欲低下、精神運動の変化などを伴う抑うつ状態の特徴です。
「取り返しのつかない罪を犯した」「家族を破産させた」など、事実と異なる内容を確信している場合は、微小妄想を伴う重いうつ状態の可能性があります。
また、死にたい気持ちがある、食事や水分が取れない、ほとんど動けない場合は、通常の予約を待たず早急に医療機関へ相談してください。
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