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非定型うつ病(ひていけいうつびょう)

目次

非定型うつ病(ひていけいうつびょう)は、独立した病名ではなく、うつ病や双極症の抑うつエピソードにみられる症状の組み合わせを示す呼び方です。医学的には「非定型の特徴を伴う」と表現します。「非定型」は珍しい、軽いという意味ではありません。良い出来事によって気分が一時的に明るくなる気分反応性に加え、過眠、食欲・体重の増加、手足が鉛のように重い感覚などがみられます。正式な診断名ではない新型うつ病とは同義ではなく、症状の経過を含む診察が必要です。

特徴

診断上は、実際または予想される良い出来事に反応して気分が改善する「気分反応性」があり、食欲・体重の増加、通常より長く眠る過眠、手足が重く感じる鉛様麻痺、持続的な拒絶過敏性のうち2項目以上を確認します。鉛様麻痺は実際に手足がまひする病気ではありません。拒絶過敏性も、一時的に傷つきやすいという意味ではなく、以前から対人関係や学業・仕事に支障を及ぼしている状態です。楽しい予定へ参加できても、うつ病ではないとは判断できません。

どんな人がなりやすいの?

非定型の特徴は、比較的若い時期から抑うつ症状が始まった人、不安症を伴う人、季節によって症状が変化する人などで報告されています。ただし、性格の弱さや甘えが原因ではなく、該当する特徴があれば必ず発症するわけでもありません。特に双極症(双極性障害)の抑うつ状態でも、過眠や食欲増加がみられる事例があります。過去に睡眠が少なくても活発だった、話し続けた、浪費した時期がないかを確認し、身体疾患や薬の影響も含めて評価することが大切です。

どうしたらいいの?

まず2週間程度、気分、睡眠時間、日中の眠気、食欲、体重、活動量、良い出来事があった際の変化、学校・仕事への影響を記録してください。治療プログラムの内容は、うつ病か双極症か、症状の重さ、年齢や生活状況によって異なり、薬物療法、認知行動療法などの心理療法、睡眠・食事・活動リズムの調整を組み合わせます。治療の目的は無理に元気を出すことではなく、症状と生活機能を段階的に改善することです。双極症では治療方針が異なるため、抗うつ薬を自己判断で開始・増減・中止しないことが注意点です。

まとめ

非定型うつ病の治療における成功は、過眠や食欲を急にゼロにすることではありません。気分の変化を安定させ、起床、食事、通学・通勤、人間関係を少しずつ取り戻し、再発を防ぐことが目標です。良い出来事で一時的に元気になれても、落ち込み、強い眠気、食欲増加、体の重さが続き、生活に支障がある場合は精神科・心療内科へ相談してください。慢性的な抑うつでは気分変調症(持続性抑うつ障害)なども評価します。「死にたい」「消えたい」と感じる場合は、期間を待たず速やかに周囲や医療機関へ伝えてください。