気分変調症(持続性抑うつ障害)


気分変調症とは、抑うつ気分、意欲や自信の低下などが慢性的に続き、学業・仕事・人間関係に影響する抑うつ症です。DSM-5-TRでは「持続性抑うつ症(気分変調症)」と呼ばれ、従来の気分変調性障害に加えて、慢性的なうつ病も含むため、分類によって診断範囲は完全には一致しません。
成人では2年以上、子ども・青年では1年以上続くことが診断の目安ですが、受診まで待つ必要はありません。
症状が長期間続くため、日常生活や学校生活に大きな影響を与えることがあります。
特徴

気分の落ち込みに加え、疲れやすさ、気力や自信の低下、集中・判断の難しさ、睡眠や食欲の変化、将来に希望を持ちにくい状態などが続きます。
症状には波があり、通学や勤務を続けられる人もいるため、「もともとの性格」と思われやすいことが特徴です。
子どもや青年では、悲しさよりも苛立ち、怒りっぽさ、成績低下として表れる場合があります。
症状は常に軽いとは限らず、うつ病に相当する強い状態が長期間続くこともある点が注意点です。
どんな人がなりやすいの?

気分変調症は、意志の弱さや悲観的な性格だけで起こるものではありません。体質的要因、家族歴、生活環境、長期的な負担、身体疾患、薬剤など、複数の要因が関係する可能性がありますが、原因が明確でないこともあります。事例として、数年間通学や勤務はできていても、楽しさや達成感がなく、友人との交流が減っている場合があります。
特定のストレスとの関係がある場合も適応障害と自己判断せず、活動性が高まった時期があれば双極症(双極性障害)も含めて評価します。
どうしたらいいの?

落ち込み、苛立ち、疲労、楽しめなさなどが数週間続き、欠席・欠勤や成績・仕事の低下がある場合は、精神科・心療内科へ相談しましょう。
受診時には、症状の開始時期、比較的調子が良かった期間、睡眠・食欲、身体症状、服薬、飲酒、過去に睡眠が少なくても活発だった時期を伝えます。
治療プログラムの内容は、認知行動療法などの精神療法、必要に応じた抗うつ薬、生活・活動の調整、学校や職場での負担軽減です。治療中は効果と副作用を確認し、自己判断で薬を増減・中断しないことが重要です。
まとめ

治療を成功に近づける目標は、無理に前向きな性格になることではなく、抑うつ気分や疲労を軽減し、学業、仕事、人間関係など本人が大切にする生活を取り戻すことです。症状が長く続いていても改善は期待できますが、必要な治療内容や期間には個人差があります。
睡眠障害が続く、食事や身の回りのことができない、欠席・欠勤が増えた場合は早めにご相談ください。
死にたい気持ちが強い、具体的な方法や時期を考えている場合は一人にならず、家族や医療機関へ伝え、救急受診や119番を含む緊急対応を優先してください。
こころの不調