渋谷365メンタルクリニック│渋谷心療内科・精神科/病気・症状について/境界性パーソナリティ障害(ボーダーラインパーソナリティ症/BPD)
公開アイコン公開: 更新アイコン更新:

境界性パーソナリティ障害(ボーダーラインパーソナリティ症/BPD)

目次

境界性パーソナリティ障害(境界性パーソナリティ症、ボーダーラインパーソナリティ症/BPD)とは、感情、自己像、対人関係、行動の調整が不安定になり、学校・仕事・家庭生活などに支障が生じる状態です。

一時的な気分の波や「性格が悪いこと」を意味する診断ではありません。

現在の診療では、特徴の有無だけでなく、困難の持続性や広がり、生活への影響を評価します。

自傷リスクや併存疾患を整理し、本人に合う治療と支援へつなげることが必要です。

最近では「ボーダー」とも呼ばれることがあり、主にカウンセリングによってゆっくりと回復を目指していく病気です。

性格の問題ではなく、こころの傷や不安が深く関係しています。

特徴

BPDでは、相手の言葉や返信の遅れを「見捨てられた」と感じて不安や怒りが急激に強まる、相手を理想化した後に強く失望する、自分がどのような人間か分からなくなるといった特徴がみられます。

空虚感、浪費、過量服薬、自傷などを伴う場合もあり、強いストレス時には一過性の疑い深さや解離症状が現れることもあります。ただし、すべての症状が全員にあるわけではありません。

解離症(解離性障害)とは別の評価が必要で、一つの特徴だけで自己診断しないことが注意点です。

どんな人がなりやすいの?

BPDは、本人の意志の弱さ、愛情不足、家族の育て方だけで起こるものではありません。

感情が反応しやすい気質、発達、対人経験、生活環境などが複合的に関係する可能性がありますが、明確な原因が分からない場合もあります。

気分の波が目立つ事例では、睡眠や活動性の変化を伴う双極症(双極性障害)との区別が必要です。

再体験やトラウマに関する回避が続く場合は、心的外傷後ストレス症(PTSD)なども含め、症状の経過を確認します。

どうしたらいいの?

自傷、過量服薬、激しい感情の変化、対人関係の問題によって生活が難しくなっている場合は、精神科・心療内科へ相談します。

受診時には、症状が始まった時期、きっかけ、持続時間、自傷や希死念慮、睡眠、服薬、学校・仕事への影響を伝えましょう。

治療プログラムの中心は、一定の枠組みで継続する精神療法です。DBTなどを通して、危機を安全に乗り切る方法、感情を調整する方法、対人関係を整える方法を学びます。

薬はBPD自体ではなく、併存するうつ病などに応じて検討します。

まとめ

感情の波を完全になくすことが治療の成功ではありません。強い苦痛があっても自傷や過量服薬を避け、相談する、場所を離れる、処方どおりに服薬するなど、安全な行動を選べることが重要な目標です。

家族や周囲は「ボーダーだから」と決めつけず、感情の苦痛を受け止めながら、支援できる内容、連絡方法、緊急時の相談先を本人・医療者と共有します。

深い傷、過量服薬、意識障害、死にたい気持ちに具体的な方法や計画がある場合は一人にせず、救急受診や119番を含む緊急対応を優先してください。