強迫症


強迫症(強迫性障害)とは、望んでいない考え・イメージ・衝動が繰り返し浮かぶ「強迫観念」と、苦痛を和らげるために行動や頭の中の作業を繰り返す「強迫行為」により、生活に支障が生じる精神疾患です。
感じるものは不安だけでなく、汚れへの嫌悪感や「しっくりこない」感覚の場合もあります。
通常の心配との違いは、止めようとしても難しく、学業、仕事、外出、家族関係などが制限される点です。相談の目的は性格を変えることではなく、症状に奪われる時間を減らすことです。
特徴

症状の現れ方は人によって異なります。汚れを恐れて手洗いを繰り返す洗浄強迫、戸締まりや提出物を確かめ続ける確認強迫、誰かを傷つけたのではないかと悩む加害恐怖などがあります。記憶や会話を頭の中で調べ直すメンタルチェッキングも強迫行為です。
本人が行為を過剰だと気づいている場合もあれば、確認しなければ危険だと強く感じる場合もあります。回避や家族への確認依頼が加わり、症状が続く悪循環が生じます。
どんな人がなりやすいの?

強迫症は意志の弱さや育て方によって起こるものではなく、特定の性格だけで「なりやすい人」を決めることもできません。思春期後半から若い成人期に始まることがあり、ストレスをきっかけに症状が目立つ場合もあります。たとえば、答案を見直し続けて提出できない、手洗いのため登校に遅れる、仕事のメール確認で作業が進まないといった事例です。
几帳面さや規則へのこだわりが生活全般に続く強迫性パーソナリティ症とは異なるため、自己判断せず専門家の評価を受けましょう。
どうしたらいいの?

まず、浮かぶ考えやイメージ、強迫行為に使う時間、避けていること、家族への依頼、学校・仕事への影響を記録し、精神科や心療内科へ相談します。
治療プログラムの内容は、心理教育、認知行動療法の曝露反応妨害法、SSRIなどによる薬物療法、家族支援、再発予防です。曝露反応妨害法では、不安や不快感を招く場面に段階的に向き合い、過剰な確認や洗浄を行わずに生活を続ける練習をします。
自己流で強迫行為を一気に禁止せず、薬も自己判断で中断しないことが注意点です。
まとめ

強迫症の改善を成功に近づけるには、嫌な考えを完全に消すことだけを目標にせず、強迫行為や回避に使う時間を減らし、大切な活動を取り戻すことが重要です。
家族による確認の代行や繰り返しの保証は、症状を維持する場合がありますが、突然すべてを拒むと対立が強まるため、治療者と相談して段階的に調整します。
症状で遅刻・欠席や欠勤が増えた、外出できない、うつ病のような落ち込みが続く場合は早めにご相談ください。
自傷・他害の具体的な意思や計画がある場合は、緊急の安全確保が必要です。
こころの不調
行動面の不調