ラプンツェル症候群
ラプンツェル症候群とは、自分で抜いた髪の毛を食べてしまう「食毛症(トリコファジア)」が続いた結果、髪の毛が胃の中で固まり、大きな毛球(毛髪胃石)をつくってしまう状態を指します。
髪の毛は消化できないため、長期間食べ続けることで体内にたまり、やがて胃や腸の働きを妨げるようになります。
まるで髪の毛が体の中で長く伸びるように広がることから、童話のラプンツェルになぞらえてこの名前がつけられました。進行すると手術が必要になることもあります。
特徴
ラプンツェル症候群の大きな特徴は、胃の中にできた毛のかたまりが小腸まで達してしまう点です。
初期には自覚症状がないこともありますが、次第に腹痛、吐き気、食欲低下、体重減少などが現れます。毛が腸にまで入り込むと「腸閉塞(ちょうへいそく)」と呼ばれる状態になることがあり、これは命に関わる危険もあるため、早期の対応が重要です。
髪を抜いてしまう「トリコチロマニア(抜毛症)」と併発することが多く、症状が複雑になりやすい傾向があります。
どんな人がなりやすいの?
この症候群は、主に思春期の子どもや若い女性に多く見られますが、年齢や性別にかかわらず誰にでも起こりうるものです。
トリコチロマニア(髪を抜くクセ)がある方が、その延長で髪を口に運ぶ習慣がつき、無意識のうちに飲み込んでしまうことが原因になります。
背景には、強いストレスや孤独感、自己肯定感の低下などが関係していることもあります。症状がある方の多くは、「やめたいけどやめられない」と葛藤しながら日常生活を送っています。
どうしたらいいの?
もし「髪の毛を抜いてしまう」「口に入れてしまう」といった行動に心当たりがある場合は、早めに専門の医療機関に相談しましょう。
特に、心療内科や精神科、小児科、または学校のスクールカウンセラーが初めの相談先として適しています。また、症状が体に現れている場合(腹痛や体重減少など)は、消化器内科の受診も大切です。
ご本人が恥ずかしく感じてしまうこともありますが、医療機関ではよくある相談として受け止めてもらえます。一人で抱え込まず、信頼できる大人に相談してみましょう。
まとめ
ラプンツェル症候群は、抜毛症や食毛症が進行することで体に影響を及ぼす、心と体の両面に関わる病気です。
髪の毛を食べてしまうという行動には、心のつらさや不安が背景にあることが多く、 決して「意志の弱さ」や「クセ」だけで片づけられるものではありません。
早めに相談することで、体への負担を減らし、心の回復につなげることができます。 今、もし同じような行動で困っているなら、「あなたは一人ではない」ということを、どうか忘れないでください。
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