微笑みうつ病
微笑みうつ病は医学上の正式な診断名ではなく、つらさや抑うつ症状を抱えながら、周囲には笑顔を見せ、普段どおりに振る舞っている状態を表す通称です。笑って会話できる、学校や仕事へ行けるというだけで、不調が軽いとは判断できません。
一方、明るく振る舞う人が必ずうつ病であるとも限らず、診察では気分、興味や喜び、睡眠、食欲、疲労、集中力、自責感、生活への影響などを総合的に確認します。詳しくはうつ病をご覧ください。
身体症状が目立つ仮面うつ病や、気分反応性などを伴う非定型うつ病とも同じ意味ではありません。
特徴
微笑みうつ病と呼ばれる状態では、人前で見せる様子と、一人になったときの状態に差がみられることがあります。例えば、学校では友人と笑って話していても、帰宅後は着替えや入浴ができず、休日は横になったまま過ごす事例です。
以前楽しめた活動への興味の低下、睡眠・食欲の変化、疲労、集中力低下、自責感、イライラなどが隠れている場合もあります。ただし、笑顔や外見と内面の差は診断基準ではありません。周囲は表情だけで判断せず、遅刻や欠席、ミス、連絡頻度などに普段と異なる変化が続いていないかを確認し、「最近眠れているか」「無理をしていないか」と穏やかに尋ねることが大切です。
どんな人がなりやすいの?
微笑みうつ病と呼ばれる状態は、特定の性格の人だけに起こるものではありません。まじめさや責任感の強さを発症原因と断定することはできませんが、「迷惑をかけてはいけない」「弱さを見せられない」という考えや、明るく振る舞うことを求められる環境によって、つらさが周囲から見えにくくなる場合があります。
進学、就職、人間関係、家庭問題などの負担が重なった後に症状が現れた場合は適応障害も検討します。また、過去に睡眠が少なくても活動的になった、話し続けた、浪費が増えた時期があれば、双極症(双極性障害)との鑑別が必要です。
どうしたらいいの?
気分の落ち込みや楽しめない状態、睡眠・食欲の変化、強い疲労、集中力低下などが続く場合は、精神科や心療内科へ相談してください。2週間は一つの目安ですが、期間が短くても生活への支障が大きい場合は早めの受診が必要です。
受診前には、気分や睡眠、食事、欠席・欠勤、以前できていたのに難しくなったこと、過去の気分の高まりをメモすると役立ちます。一般的な治療の目的は、無理に笑顔を取り戻すことではなく、症状を軽減し、安全に生活できる状態へ回復することです。
治療内容は、休養、環境調整、心理的支援、薬物療法などから、診断と重症度に合わせて決めます。処方薬を自己判断で増減・中断しないことも注意点です。
まとめ
微笑みうつ病は正式な病名ではありませんが、外見上は元気に見える人にも、治療が必要な抑うつ症状が隠れている可能性を示す言葉です。治療の成功を、いつも笑顔でいられることや、すぐ以前と同じ生活へ戻れることだけで判断する必要はありません。安心して休める、つらさを言葉にできる、睡眠や食事が整う、無理のない範囲で授業や仕事へ戻れるといった変化が回復の目安です。
「死にたい」「消えたい」と感じる、具体的な方法や準備がある、今すぐ自分を傷つけそうな場合は、一人にならず、家族や信頼できる人に伝え、119番または救急医療機関へ助けを求めてください。
つらさを隠す状態が続く場合は、早めに渋谷365メンタルクリニックへご相談ください。
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