イマジナリーコンパニオン(イマジナリーフレンド)
イマジナリーコンパニオン(イマジナリーフレンド)とは、子どもが空想の中につくり、友だちのように話したり遊んだりする存在です。目に見えない人物や動物のほか、ぬいぐるみや人形に名前・性格・意思を与える「人格化された物」を含める場合もあります。幼児期から学童期にみられる空想遊びの一つであり、それ自体は病気や医学的な診断名ではありません。
見守る目的は、空想の友だちをやめさせることではなく、本人が安心して楽しめているか、家族や友人との関係、食事、睡眠、登園・登校などに支障がないかを確認することです。
特徴
空想の友だちと会話する、食事の席を用意してほしいと頼む、遊びや悩みの相談相手にするなど、内容や関わり方は子どもによって異なります。言いにくい気持ちを空想の友だちの言葉として表す事例もあります。多くは遊びの文脈でみられますが、子どもが本物の友だちのように話すことだけで異常とは判断できません。注意点は、本人が強く怖がる、危険な行動を命令される、話や行動が急にまとまらなくなるなど、苦痛や生活の変化を伴う場合です。
幻覚だけで統合失調症と決まるわけではないため、専門家による総合的な評価が必要です。
どんな人がなりやすいの?
イマジナリーコンパニオンは、想像遊びが盛んな幼児期から学童期にみられますが、現れる時期や続く期間には個人差があります。性別、兄弟の有無、友人の数、家庭環境など、特定の条件だけで「なりやすい人」を決めることはできません。空想の友だちがいるからといって、孤独、愛情不足、友人関係の問題があるとは限らず、純粋に遊びを楽しむ目的で生まれる場合もあります。一方、引っ越し、入園・入学、家族関係の変化などの時期に安心を得る役割を持つ事例もあります。
登校困難や強い心配を伴う場合は、不安症(不安障害)など、別の困りごとも確認しましょう。
どうしたらいいの?
本人が楽しんでおり、日常生活に支障がなければ、特別な治療プログラムは通常必要ありません。「そんな友だちはいない」と強く否定したり、からかったり、詳しく話すよう迫ったりせず、本人が話したい範囲で穏やかに聞きましょう。ただし、大人が積極的に設定を広げ続ける必要もありません。対応の目的は空想を尊重しながら、現実の生活ルールを保つことです。「その友だちが片づけたくないと言っている」と話しても、「遊びが終わったら一緒に片づけよう」と境界を示します。心配な場合は、始まった時期、内容、恐怖の有無、睡眠や登校の変化を記録してください。
まとめ
対応の成功は、イマジナリーコンパニオンが早く消えることではなく、子どもが安心して過ごし、現実の家族や友人とも関わりながら生活できることです。成長後も空想上の存在を思い浮かべることだけで、直ちに病気とは判断できません。ただし、本人が望まない声や姿が繰り返し現れる、危険な行動を命令される、強い混乱や恐怖がある、睡眠・学業・友人関係が急に悪化した場合は、小児科、児童精神科、学校の相談窓口などへ相談してください。自分や他人を傷つけるよう命じられている場合や、行動の安全を保てない場合は、一人にせず、速やかに医療機関へつなぐ必要があります。
こころの不調