解離性同一症
解離性同一症とは、ひとりの人の中に複数の人格(性格や行動のまとまり)が存在し、その人格が交代しながら現れる状態のことです。
以前は「多重人格」と呼ばれていました。
このような状態は、心にとても強いストレスやトラウマがかかったときに、自分を守るために無意識のうちに生まれる心の反応です。
怖いものではなく、「つらさに耐えようとした心の工夫」と捉えることが大切です。
特徴
本人が覚えていない間に、別の人格が表に出て行動することがあります。
たとえば、自分では書いた覚えのないノートの文字があったり、話し方や服の好みが急に変わったりします。
ある人格はおとなしく、別の人格は活発であったりと、性格や態度がまったく違うこともあります。
主人格(ふだんの自分)は、その間の出来事を覚えていないことが多く、「自分に何が起きているのか分からない」と不安を感じることもあります。
どんな人がなりやすいの?
幼いころからつらい経験を抱えていた人に多く見られます。
たとえば、家庭内の暴力、ネグレクト、いじめ、性的な被害など、心に深い傷を受ける体験です。
また、感受性が強く、やさしくて人の気持ちを考えすぎてしまうような人も、自分のつらさをひとりで抱え込んでしまいがちです。
こうした状況の中で、心が「このつらさは別の人格に引き受けてもらおう」と無意識に働きかけた結果として、別の人格が生まれてくるのです。
どうしたらいいの?
まず大切なのは、「自分が変」だと思わないことです。
これは心があなたを守ろうとしてくれた結果であり、悪いことではありません。
無理にすべてをひとりで解決しようとせず、心療内科や精神科、スクールカウンセラーなど信頼できる専門家に相談してください。
治療では、自分の中にある複数の人格を少しずつ理解し、「自分とは何か」を整理していく作業を行います。
少しずつ安心できる場を作りながら、自分らしさを取り戻していけます。
まとめ
解離性同一症は、あなたの心がとてもがんばってきた証です。
大きなつらさをひとりで受け止めずに、「別の自分」に助けを求めたことは、決しておかしなことではありません。
あなたの中には、きちんと回復していく力があります。
もし今、不安や混乱の中にいるとしても、大丈夫。信頼できる人とつながりながら、少しずつ前に進んでいけます。
焦らず、自分のペースで、自分自身を大切にしてください。
こころの不調