逆さバイバイ
逆さバイバイとは、「バイバイ」と手を振る際に、通常とは逆向きに手を振る様子を指します。
本来は相手に手のひらを向けますが、逆さバイバイでは自分に手のひらを向け、相手には手の甲が見える形になります。これはふざけているのではなく、動作の模倣の仕方に特徴があるために起こります。
特に自閉スペクトラム症のある子どもにみられることがありますが、発達の途中段階で一時的にみられることもあります。行動そのものよりも、背景にある認知の発達特性を理解することが重要です。
特徴
逆さバイバイは「部分模倣」の一つです。子どもは相手の動きを見るとき、「自分から見えた形」をそのまま再現しようとします。本来は「相手からどう見えるか」という視点変換が必要ですが、その切り替えが難しい場合、向きが逆になります。これは空間認知や他者視点取得の発達と関係しています。
2歳前後までであれば発達の範囲内のこともありますが、3歳以降も持続し、他の対人コミュニケーションの困難がみられる場合は注意深い観察が必要です。
どんな人がなりやすいの?
主に自閉スペクトラム症のある幼児に比較的よくみられます。これは、他者の立場に立って考える力や、見え方を想像する力に特性があるためです。ただし、逆さバイバイだけで診断が決まることはありません。
- 目が合いにくい
- 指さしが少ない
- 言葉の発達が遅れている
- 共同注意が弱い
など、複数の特徴が重なっているかが重要です。単一の行動に過度に注目するのではなく、発達全体のバランスをみることが大切です。
どうしたらいいの?
まずは否定せず、正しい向きを自然に見せることが大切です。正面に立ち、ゆっくり大きな動作で手を振り、「こうやって振るよ」と視覚的に示します。鏡を使って「相手からどう見えるかな?」と体験的に学ぶ方法も有効です。園や家庭で同じやり方を継続することが理解を助けます。
もし他にも発達の気がかりがある場合は、小児科や発達外来に相談することで、具体的な支援方法や評価を受けることができます。早期の相談は安心につながります。
まとめ
逆さバイバイは、動作の向きが逆になる模倣の特徴で、主に視点変換の難しさと関係しています。自閉スペクトラム症のある子どもにみられることがありますが、発達の途中で一時的に起こることもあります。
大切なのは、行動を問題と決めつけるのではなく、「どのように世界を見ているのか」という理解を深めることです。丁寧な関わりと必要に応じた専門的支援により、社会的なやり取りの力は着実に育っていきます。
行動面の不調
こころの不調
からだの不調