慢性疲労症候群
慢性疲労症候群(ME/CFS)は、十分に休んでも改善しない強い疲労感が少なくとも6か月以上続き、日常生活に大きな支障が出る状態です。明らかな内科的疾患やうつ病などだけでは説明できないことが特徴です。
単なる「疲れ」や「気の持ちよう」ではありません。体を少し動かしただけで強く悪化することがあり、学校や仕事に通えなくなる場合もあります。見た目では分かりにくいため、周囲から誤解されやすい疾患でもあります。
特徴
最も重要な特徴は「労作後の増悪」です。軽い運動や外出のあと、数時間から翌日にかけて強い倦怠感や頭痛、筋肉痛が悪化します。また、十分に寝ても回復感がない睡眠障害、集中力や記憶力の低下(いわゆるブレインフォグ)、立ちくらみや動悸などの起立性調節障害を伴うことがあります。
うつ病では気分の落ち込みが中心になりますが、慢性疲労症候群では「動きたくても体が動かない」ことが特徴的です。無理な運動療法で悪化することもあるため注意が必要です。
どんな人がなりやすいの?
思春期から若年成人に発症することが多く、風邪やウイルス感染の後に発症するケースもあります。
真面目で責任感が強く、無理を重ねてしまう人ほど悪化しやすい傾向があります。受験や就職活動など強いストレスが重なる時期に発症することもあります。若年女性にやや多いとされますが、男性にもみられます。
「怠けている」「やる気がない」と誤解されることで、さらに心理的負担が増すことも少なくありません。
どうしたらいいの?
まず内科で他の疾患(甲状腺疾患、貧血など)がないかを確認します。そのうえで慢性疲労症候群が疑われる場合は、「ペーシング」が基本となります。これは、自分の体力の範囲を把握し、悪化しない程度に活動を分配する方法です。無理に体力を戻そうと急に運動量を増やすことは避けます。
学校や職場には診断書や医師の説明をもとに配慮を求めることが重要です。専門医や慢性疲労に詳しい医療機関での継続的なフォローが安心につながります。
まとめ
慢性疲労症候群は、長期間続く強い倦怠感と活動後の悪化を特徴とする疾患です。見た目では分かりにくく、誤解されやすい病気ですが、医学的に認められた状態です。
適切な診断と無理のない生活調整により、症状の安定や改善は十分に期待できます。焦らず、自分の体の声を尊重しながら、医療や周囲の支援を受けることが回復への大切な一歩となります。
行動面の不調
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