身体像障害(ボディイメージの障害)
身体像障害とは、「自分の体をどう感じるか・どう見ているか」という心のイメージが大きくゆがんでしまう状態を指します。
実際の体型や体重とは大きく違う認識を持ってしまい、周囲から見ると十分に痩せていても、本人だけが「まだ太っている」「醜い」と強く感じてしまいます。
特に神経性やせ症(拒食症)と深く関係しており、医学的にも重要な症状として扱われます。
これは単なる“思い込み”や“気持ちの問題”ではなく、脳や心の認識が影響を受けている状態であり、きちんと治療や支援の対象になる心の症状です。
特徴
身体像障害の大きな特徴は、「現実の体」と「心が感じている体」が一致しなくなることです。
周囲から見れば明らかに痩せているのに、本人は「足だけは異常に太い」「腕が醜い」「まだ全然痩せていない」と感じてしまいます。
全身ではなく、一部の部位だけに強くこだわることも多く、鏡で同じ場所ばかり確認したり、他人の目を極端に気にする行動が見られます。
中には、動けないほど痩せていても「自分は太っているように見える」と感じる人もいます。
不思議なことに、他人の体型は正しく判断できるのに、「自分の体」だけが大きく歪んで見えてしまうのが特徴です。
どんな人がなりやすいの?
特定の性格だけが原因ではありませんが、真面目で努力家、自分に厳しく「理想」を追い求めやすい人は影響を受けやすい傾向があります。
また、
- SNSやメディアによる「理想の体型」への強い圧力
- 学校や人間関係、成績や生活のストレス
- 過去のつらい経験や自己否定感
などが重なると、身体像が歪みやすくなります。
特に思春期〜若年期は、体や心が大きく変化する時期で「他人と比べてしまうこと」が増えるため、発症しやすい年代とされています。
これは性格の弱さや甘えではなく、医学的に理解されている“治療すべき状態”です。
どうしたらいいの?
まず大切なのは、「自分の感じ方が“病気の影響で歪んでいる可能性がある”」と知ることです。
一人で耐え続ける必要はありません。
次のような行動が現実的な第一歩になります。
- 信頼できる家族、友人、先生などに正直な気持ちを話す
- 精神科・心療内科の受診を検討する
治療では、身体の健康状態を守るサポートに加え、「自分の体をどう認識しているのか」「その背後にある不安やプレッシャーは何か」を整理する心理的支援が行われます。
適切なサポートにつながることで、少しずつ現実の体と心の認識が近づき、楽に感じられる時間が増えていくことが期待できます。
まとめ
身体像障害は、「自分の体をどう見ているか」が大きく歪んでしまう状態で、特に神経性やせ症と深く関係する重要な症状です。
本人は非常につらく、「おかしいと思っても止められない」ことがあり、周囲の理解も必要です。
しかし、これは決して“意志の弱さ”や“わがまま”ではなく、医学的に支援が必要な心の問題です。
適切な理解とサポート、そして専門的な支援につながることで、改善は十分に目指せます。
いま感じている苦しさは、一人で抱える必要はありません。
安心して相談できる相手や医療機関につながることが、確実な回復への一歩になります。
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