陽性症状と陰性症状
統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」と「陰性症状」に分けて理解されます。ここでの“陽性”“陰性”は、良い・悪いという意味ではありません。
陽性症状は、本来ないはずの体験が“加わる”状態を指し、陰性症状は、本来あるはずの働きが“減る”状態を指します。さらに近年では、注意力や記憶力の低下といった「認知機能障害」も重要な症状と考えられています。これらを区別することで、適切な治療や支援につなげやすくなります。
特徴
陽性症状の代表は幻覚や妄想です。たとえば、実際にはない声が聞こえる、強い確信をもって「誰かに監視されている」と感じるなどです。これは脳内のドパミンという神経伝達物質の働きが過剰になることが関与すると考えられ、抗精神病薬で改善が期待できます。
一方、陰性症状には感情の乏しさ、意欲低下、引きこもり傾向などがあります。抑うつとは異なり、悲しみが強いというより「感情の動きが鈍くなる」印象です。認知機能障害では、集中力低下や段取りが難しくなることがみられます。
どんな人がなりやすいの?
統合失調症は思春期後半から青年期に発症することが多く、初期には陽性症状が目立ちやすいです。その後、回復期や安定期に移行すると、陰性症状や認知機能の困難が続くことがあります。
陰性症状は「怠け」や「やる気不足」と誤解されやすいですが、脳機能の変化が背景にあります。ストレスや睡眠不足は症状を悪化させることがありますが、性格や努力不足が原因ではありません。
どうしたらいいの?
幻覚や妄想がみられる場合は、早期に精神科を受診し、抗精神病薬による治療を開始することが重要です。陽性症状は比較的治療反応が良いことが多いです。
一方、陰性症状や認知機能障害には、薬物治療に加えてデイケアや作業療法、認知リハビリテーションなどの支援が有効です。生活リズムを整え、無理のない目標を設定することが回復を助けます。家族は批判せず、長期的な視点で支えることが大切です。
まとめ
陽性症状は「増える症状」、陰性症状は「減る症状」を意味し、統合失調症の理解に欠かせない概念です。さらに認知機能の低下も重要な側面です。
治療と支援を組み合わせることで、症状の改善と社会機能の回復は十分に可能です。早期発見と継続的支援が、将来の安定につながります。正しい理解を持つことが、本人と周囲の安心の基盤となります。
行動面の不調
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