重篤気分調節症
重篤気分調節症とは、子どもの頃から怒りやイライラが強く、感情の爆発が何度も起こる状態を指します。
激しいかんしゃくや暴言、物を壊すといった行動が週に何度も見られ、爆発していないときでも常に不機嫌でイライラが続くことが特徴です。
これは「性格が悪い」「反抗期が長引いている」と片づけてよいものではなく、感情のコントロールが医学的に難しくなっている状態として理解されます。
学校生活や家庭生活、人間関係に大きな影響が出るため、適切な理解と支援が必要です。
特徴
この状態では、怒りが突然強く吹き上がり、暴力・暴言・物の破壊などの形で現れることがあります。
しかもそれが一時的なものではなく、継続して繰り返される点が重要です。
また、「爆発していない時間」でも常にイライラや不機嫌が続き、周囲との摩擦が増えやすくなります。
本人は決して「好きで怒っている」わけではありません。
感情が自動的にあふれ出てしまい、自分でも止められないため、怒りの後に疲れ果てたり、自己嫌悪や孤独感を感じることも少なくありません。
一方で、周囲も緊張や不安を抱えやすく、家庭や学校での困難が積み重なりやすくなります。
どんな人がなりやすいの?
主に子どもから思春期にかけて見られることが多いとされていますが、「この性格だからなりやすい」「この家庭だから起こる」という単純なものではありません。
脳や心の感情調整のメカニズム、ストレスや生活環境、対人関係の経験など、複数の要因が重なって影響すると考えられています。
かつては双極症やトラウマとの関係が議論されましたが、同じメカニズムではないことがわかってきており、いまだ研究が進められている分野です。
つまり、本人の努力不足や性格の問題ではなく、医学的に理解されるべき状態であることが重要なポイントです。
どうしたらいいの?
現時点では、決定的に有効とされる薬物治療はありません。
むしろ重要なのは、カウンセリングなどを通じて、
- 怒りに巻き込まれにくくする考え方の練習
- 問題解決能力を高める支援
- 対人関係のスキルを少しずつ身につけること
などに取り組むことです。
本人が「自分が悪い」と一人で抱え込むのは負担が大きく、逆に悪循環を生みやすくなります。
家族や学校が協力し、専門家とつながりながら、「どうすれば怒りに飲み込まれずに過ごしやすくできるか」を一緒に考える支援が大切です。
困っている場合は、早めに専門機関へ相談してください。
まとめ
重篤気分調節症は、「怒りっぽい性格」では片づけられない、感情の調整が難しくなる状態です。
頻繁なかんしゃくや怒りの爆発は、本人の意思や忍耐力だけで解決できるものではなく、医学的理解と支援が必要です。
まだ研究が続いている分野ではありますが、カウンセリングや環境調整、支援体制づくりによって、少しずつ生きやすさを取り戻していくことは可能です。
一人で抱え込まず、信頼できる大人や専門家とつながることが、安心と回復への大切な一歩となります。
こころの不調
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