ためこみ症

「これはもう使わないかも」と思っても、「もったいない」「あとで必要になるかもしれない」と感じて、なかなか捨てられない。
そんな気持ちが強くなりすぎて、部屋や机の上が物であふれてしまう状態を『ためこみ症』といいます。
自分では片づけたいと思っていても、捨てるのがこわかったり、捨てたあとに後悔しそうで不安になることが続くのが特徴です。
特徴

ためこみ症の人は、いらなくなったものにも強い思い入れや不安を感じやすく、物をためこんでしまいます。
たとえば、壊れた文房具、古いお菓子の箱など、「いつか使うかも」と思って取っておくうちに、机が使えなくなったり、床に物が積もってしまったりすることもあります。
本人は「これではいけない」と感じていても、心がついていかず、片づけられないことに苦しんでいることが多いのです。
どんな人がなりやすいの?

ためこみ症は、まじめで心配性な性格の人や、過去に大事なものを失った経験がある人に起きやすいといわれています。
「捨てたあとに困ったらどうしよう」「自分が失敗したと思いたくない」といった気持ちが強くなると、手放すことが不安に変わってしまうのです。
また、強迫症(きょうはくしょう)と関係していることもあり、頭では「いらない」と思っても、気持ちがなかなか整理できないこともあります。
どうしたらいいの?

ためこみ症は、「物を大切にしたい」「失敗したくない」という気持ちから生まれることが多く、それ自体は悪いことではありません。
でも、物が多すぎて困っているときには、少しずつ「手放してもだいじょうぶ」という経験を積んでいくことが大切です。
たとえば、似たものが2つあったら1つだけ残してみる、「また買える物」から整理してみるなど、小さな練習から始めてみましょう。
つらいときは、家族や先生、医師などの専門家に相談することで、安心して進める方法を見つけられます。
まとめ

ためこみ症は、物を捨てることが不安で、片づけられなくなる心の症状です。
「こんな自分はダメだ」と思わないでください。それは、あなたが物や思い出を大切にしている証でもあるのです。
困ったときは、一人で抱え込まず、「片づけたいけど、こわい」と気持ちを言葉にしてみてください。
ゆっくり、少しずつでかまいません。あなたのペースで、片づけられる日がきっとやってきます。
行動面の不調