脱抑制型対人交流症

目次

脱抑制型対人交流症とは、見知らぬ人にもためらいなく話しかけたり、ついて行ってしまう子どもに見られる心の問題です。

本来、子どもは知らない人に対しては少し緊張したり警戒したりするものですが、この状態ではそのブレーキがうまく働きません。

「愛着障害」の一つで、安心できる大人との関係(愛着)がうまく築けなかったことが背景にあると考えられています。

特徴

この障害のある子どもは、知らない大人に対しても笑顔で近づいたり、手をつないだりするなど、なれなれしく接することが多いです。

また、ふつうは不安を感じやすい場所でも、親や信頼できる大人の存在を気にする様子がなく、一人で行動する傾向があります。

周囲からは「人なつっこい」と誤解されがちですが、本当は誰とでも簡単に心を通わせてしまうことで、自分を守る力が育っていない状態とも言えます。

どんな人がなりやすいの?

主に、幼いころに親や養育者から十分な関心や世話を受けられなかった子どもに多く見られます。

たとえば、育児放棄(ネグレクト)を受けた場合や、何度も施設や里親家庭を転々とした場合などです。

こうした経験があると、「この人は信じられる」と感じられる大人とのつながりが作れず、結果として、誰に対しても距離が近くなりすぎてしまう傾向が出てきます。

どうしたらいいの?

まずは「この人と一緒にいると安心できる」と感じられる大人との関係を、ゆっくりと築いていくことが大切です。

すぐに治すことはできませんが、毎日の関わりの中で少しずつ信頼を積み重ねていくことが、心の土台づくりにつながります。

学校や施設では、心理の専門家と連携し、無理に行動を変えさせるのではなく、その子の不安や背景を理解した支援が必要です。

まとめ

脱抑制型対人交流症は、一見「人なつっこくて元気な子」に見えるかもしれませんが、実は「安心できる人がいない」という心の不安を抱えている状態です。

大切なのは、その子が「この人と一緒なら大丈夫」と思える経験を積み重ねていくことです。

時間をかけて信頼関係を育てることが、安心して生きていくための第一歩となります。

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