インターネットゲーム行動症
インターネットゲーム行動症とは、ゲームを始める時間や終える時間を自分で調整できなくなり、学業・仕事・睡眠・人間関係などよりゲームを優先し、問題が起きても続けてしまう状態を指します。WHOのICD-11における正式名称は「ゲーム行動症」で、オンラインとオフラインの両方が対象です。一方、DSM-5-TRの「インターネットゲーム障害」は、今後の研究が必要な状態として掲載されています。
長時間遊ぶだけでは診断されず、通常は12か月ほど続く行動パターンと、生活への重大な支障を総合的に評価します。
特徴
主な特徴は、ゲームの時間・頻度・終了を制御しにくいこと、ほかの活動よりゲームを優先すること、成績低下や睡眠不足などの悪影響が生じても継続することです。事例として、夜通しプレイして遅刻や欠席が増える、食事や入浴を後回しにする、課金額を隠す、約束した時間に終えられないといった行動があります。ただし、休日に長く遊ぶことや、中断されて一時的に怒ることだけでは判断できません。
気分の落ち込みを伴ううつ病や、昼夜逆転を含む睡眠障害の併存も確認します。
どんな人がなりやすいの?
ゲーム行動症は子どもから成人まで起こり得ますが、特定の性格や「意志の弱さ」だけで発症するものではありません。不安や抑うつ、孤立感、学校・家庭でのストレス、衝動の調整や行動の切り替えにくさなどが、問題のある利用と関連する事例があります。注意欠如・多動症(ADHD)などの発達特性を伴うこともありますが、直接の原因と断定することはできません。本人を責めるのではなく、ゲームが苦痛を避ける唯一の方法になっていないか、睡眠、友人関係、学習・仕事上の困りごとまで整理することが大切です。
どうしたらいいの?
まず1~2週間、ゲームの開始・終了時刻、睡眠、食事、課金額、遅刻・欠席、プレイ前後の気分を記録してください。支援プログラムの内容には、ゲーム行動を理解する心理教育、利用のきっかけや考え方を整理する認知行動療法、睡眠・食事・運動の調整、家族支援、併存する不安や抑うつなどへの治療があります。目的は一律にゲームを禁止することではなく、生活の優先順位と利用のコントロールを取り戻すことです。ただし、暴力、多額の課金、深刻な生活破綻がある場合は、安全を優先して利用制限を行い、専門家へ相談します。
まとめ
治療における成功は、ゲーム時間をゼロにすることだけではありません。睡眠、食事、登校・出勤、人間関係、金銭管理を回復し、本人がゲームを始めるか、いつ終えるかを選べる状態を目指します。昼夜逆転や欠席・欠勤が続く、課金や借金が増える、何度減らそうとしても戻る、家族への暴言・暴力がある場合は、精神科・心療内科や依存症の専門医療機関へ相談してください。保健所や精神保健福祉センターでは、家族だけでも相談できます。数日ほとんど眠らない、食事や水分が取れない、「死にたい」と訴える、自他を傷つける危険がある場合は、速やかな医療対応が必要です。
こころの不調
行動面の不調