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仮面うつ病

目次

仮面うつ病とは、正式な診断名ではなく、気分の落ち込みよりも、倦怠感、頭痛、胃腸の不調、めまい、不眠などの身体症状が前面に現れるうつ状態を表す通称です。本人が精神的なつらさを自覚せず、内科などで身体症状だけを相談することもあります。ただし、身体症状のみで判断するのではなく、興味や喜びの低下、自責感、集中力、生活への影響などを確認します。診察の目的は、身体疾患を見逃さず、うつ病を含む原因を整理して適切な治療へつなげることです。

特徴

だるさ、頭痛、肩や腰の痛み、動悸、息苦しさ、食欲の変化などを主に訴え、気分の落ち込みは目立たないことがあります。

しかし、詳しく確認すると、趣味を楽しめない、判断に時間がかかる、遅刻・欠席や欠勤が増える、睡眠障害が続くといった変化がみられる場合があります。朝に症状が強い人もいますが、全員に共通する特徴ではありません。検査で異常がないことは診断条件ではなく、身体疾患とうつ状態が併存する可能性にも注意が必要です。

どんな人がなりやすいの?

仮面うつ病は、真面目な人や我慢強い人だけに起こるものではありません。生活環境、学業・仕事の負担、睡眠不足、身体的な不調など、複数の要因が関係する可能性がありますが、明確なきっかけがない場合もあります。事例として、頭痛や腹痛で通学できない一方、本人は落ち込みを否定していても、趣味や友人への関心が低下しているケースがあります。

過去に睡眠が少なくても活動的だった時期がある場合は、治療方針が異なる双極症(双極性障害)も含めて評価します。

どうしたらいいの?

身体症状が続く場合は、症状に応じて内科などを受診するとともに、睡眠、食欲、気分、楽しめるか、症状が強い時間、欠席・欠勤への影響を精神科・心療内科へ伝えます。

治療プログラムの内容は、重症度に応じた休養、生活・学習・業務負担の調整、精神療法、必要に応じた薬物療法です。身体症状症(身体表現性障害)は、検査の異常の有無だけでなく、症状に対する強い不安や行動を含めて判断します。自己判断で薬を増減・中断しないことも注意点です。

まとめ

改善を成功に近づけるには、身体症状を「気のせい」と否定せず、同時に「検査で異常がないからうつ病」と決めつけないことが重要です。治療の目標は、痛みやだるさを軽減し、睡眠、通学・勤務、趣味、人間関係を段階的に取り戻すことです。

もし胸の強い痛み、呼吸困難、失神、突然の激しい頭痛、手足のまひがある場合は、身体の救急診療を優先してください。

死にたい気持ちが強い、具体的な方法や時期を考えている場合は一人にせず、救急受診や119番を含む緊急対応につなげてください。