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混合状態

目次

混合状態とは、躁・軽躁と抑うつという反対方向の症状が、同じ時期に重なって現れる状態を指す臨床用語です。DSM-5-TRでは、独立した「混合エピソード」ではなく、躁・軽躁・抑うつエピソードに付加する「混合性の特徴」として整理されます。単なる気分の波や、落ち込みながらいら立つ状態だけを意味しません。

診察では現在の症状と過去の経過を確認し、双極症(双極性障害)などの診断、安全性、治療内容を総合的に判断します。

特徴

混合状態では、落ち込んでいるのに考えが次々に浮かぶ、普段より話し続ける、活動や衝動が増える、睡眠が短くても疲れにくいなど、抑うつと躁・軽躁の特徴が重なります。反対に、躁状態や軽躁状態の中で、絶望感、喜びの低下、強い自責感が現れる場合もあります。事例として、「消えたい」と考えながら外出や連絡、買い物を止められないケースがあります。

不安やいら立ちだけで判断せず、観念奔逸など普段との変化を確認します。

どんな人がなりやすいの?

混合状態は、感情的な人や気分が変わりやすい人にだけ起こるものではありません。双極症の躁・軽躁・抑うつエピソードの中でみられ、過去に睡眠が少なくても疲れず活動した時期がある、抑うつを繰り返している、家族に双極症の人がいる場合は、経過を丁寧に確認します。また、抗うつ薬などの開始後に活動性や焦りが急に高まった場合も医師へ伝えましょう。

薬剤、アルコール・薬物、甲状腺疾患などによる類似症状もあるため、一つの症状だけで自己診断はできません。

どうしたらいいの?

死にたい気持ち、強い焦り、衝動的な行動がある場合は、一人で抱えず早急に精神科へ相談してください。受診前には、睡眠時間と翌日の疲労、気分、活動量、発言、出費、服薬、飲酒、自傷の考えを時系列で記録します。治療プログラムの内容は、安全確保、状態に応じた気分安定薬や抗精神病薬、心理教育、睡眠・生活リズムの調整、家族との再発サインの共有などです。治療を成功に近づける注意点は、抗うつ薬を含む薬を自己判断で開始・増減・中止しないことです。

まとめ

混合状態は、躁とうつが交互に現れることではなく、一つの気分エピソードの中に反対側の特徴的な症状が重なる状態です。治療の目的は、気分を無理に抑えることではなく、自傷、事故、浪費などの危険を減らし、睡眠、判断力、学業・仕事を安定させることにあります。

うつ病として治療中でも、急に活動や発言が増える、考えが止まらない、眠らなくても疲れない変化があれば医師へ伝えてください。具体的な自殺計画、危険運転、激しい興奮がある場合は救急医療へ相談します。