精神依存・身体依存


精神依存・身体依存は、アルコールや薬などを繰り返し使用したときに起こる変化を説明する言葉で、どちらも独立した病名ではありません。精神依存は、物質を強く求め、「使わないとつらさに耐えられない」と感じる状態です。身体依存は、体が物質のある状態に適応し、減量・中止によって離脱症状が現れる状態を指します。医師の指示どおり服薬していても身体依存は起こり得ますが、それだけで依存症とはいえません。依存症では、使用の制御困難や生活への悪影響を総合的に評価します。
特徴

精神依存では、物質のことが頭から離れない、つらい気分を和らげるために強く求めるなどの変化がみられます。身体依存の離脱症状は物質ごとに異なり、不眠、不安、発汗、震え、吐き気などが代表例です。アルコールや一部の睡眠薬・抗不安薬では、重症時に幻覚、強い混乱、けいれんが起こる場合もあります。同じ効果を得るため量が増える耐性は別の現象です。耐性・身体依存・精神依存は重なることがありますが、必ず同時に現れるわけではありません。
どんな人がなりやすいの?

精神依存・身体依存は、意志の弱さや特定の性格だけで起こるものではありません。物質の種類、使用量、頻度、期間、年齢、体質、心身の状態、ストレス、入手しやすさなどが複合的に関係します。不眠や不安を和らげる目的で飲酒や薬の使用を重ね、次第に調整が難しくなる事例もあります。一方、一部の処方薬では、医師の指示どおり使用していても体の適応として身体依存が生じます。身体依存を乱用や本人の責任と決めつけず、処方どおりか、生活への支障があるかを分けて確認することが大切です。
どうしたらいいの?

まず、薬や物質の名称、1回量、回数、使用期間、処方どおりに使えているか、飲み忘れ・減量時の症状、飲酒や市販薬との併用を整理してください。治療プログラムの内容は、身体状態と依存症の評価、安全な離脱管理や段階的な減量、心理教育、認知行動療法、再発予防、家族支援などです。治療の目的は、離脱症状だけを抑えたり、すべての薬を一律にゼロにしたりすることではなく、安全性と生活機能を回復することです。多量飲酒や一部の睡眠薬・抗不安薬は、自己判断で急に中止せず、処方医へ相談してください。
まとめ

回復における成功は、離脱症状が消えることだけではありません。強い欲求へ対処し、睡眠、学業・仕事、人間関係を立て直しながら、違法薬物では断薬、処方薬では必要に応じた減量・変更など、状態に合った目標を進めます。量が増えた、処方より早く薬がなくなる、減らすと不調が出る場合は、処方医や依存症専門医療機関へ相談してください。アルコール依存症や依存・嗜癖では、家族だけでも相談できます。意識低下、呼吸の弱まり、けいれん、強い混乱がある場合は救急対応が必要です。
からだの不調