過換気症候群


過換気症候群とは、体が必要とする量を超えて速く、または深く呼吸し、血液中の二酸化炭素が低下することで、息苦しさ、めまい、しびれなどが現れる状態です。一般には「過呼吸」と呼ばれることもあります。二酸化炭素が急に減ると血液がアルカリ性へ傾き、不快な症状への恐怖からさらに呼吸が増える悪循環が起こります。ただし、過換気は喘息、心臓・肺の病気、発熱、代謝異常などでも生じます。身体的な原因を確認せず、呼吸が速いことだけで過換気症候群と判断することはできません。
特徴

主な症状は、空気を吸っても足りない感覚、動悸、胸の圧迫感、めまい、口の周りや手足のしびれ、手指のこわばり、頭がぼんやりする感覚などです。事例として、発表前に呼吸が速くなり、「倒れる」「死んでしまう」と感じて、さらに息を吸い続ける場合があります。典型的な発作は落ち着くことが多いものの、胸痛や呼吸困難は喘息や心肺疾患でも現れます。初回の発作、失神、唇の変色、喘鳴、片側の麻痺、高熱などを伴う場合は、「いつもの過呼吸」と決めつけないことが重要な注意点です。
どんな人がなりやすいの?

過換気症候群は、特定の性格や性別だけに起こるものではありません。強い不安、緊張、恐怖、怒り、痛み、疲労、睡眠不足などをきっかけに起こる場合がありますが、原因が明確でない事例もあります。人前で注目される場面が引き金になる場合は社交不安障害(社交不安症)、突然の発作と再発への心配が続く場合はパニック障害(パニック症)との関係も評価します。一方で喘息や感染症などもあるため、心理的な問題だけで説明しないことが大切です。
どうしたらいいの?

発作時は転倒しないよう安全な場所で、本人が呼吸しやすい姿勢を取ります。衣服を緩め、無理に大きく吸ったり息を止めたりせず、できる範囲で静かに息を吐き、自然に呼吸が落ち着くのを待ちましょう。周囲の人は大人数で囲まず、落ち着いた声で付き添います。紙袋やビニール袋を口と鼻に当てる方法は、酸素不足や身体疾患の見逃しにつながるため行いません。再発予防プログラムの内容は、心理教育、原因の評価、必要に応じた呼吸の練習、不安症に対する認知行動療法などで、目的は呼吸法だけで発作を抑えることではありません。
まとめ

治療における成功は、呼吸が一度も乱れなくなることではなく、症状が始まっても安全に対応し、学校・仕事、外出、人前での活動を少しずつ取り戻すことです。発作の日時、直前の状況、症状、持続時間、その後の行動を記録すると、診察で原因を整理しやすくなります。発作を繰り返す、発作への予期不安から電車や学校を避ける場合は、精神科・心療内科へ相談してください。初めての激しい呼吸困難、強い胸痛、失神、意識障害、唇の変色などがある場合は、速やかな救急対応が必要です。
からだの不調