依存・嗜癖


依存・嗜癖とは、アルコールや薬物などの物質、またはギャンブルやゲームなどの行動を自分で調整できず、健康、学業・仕事、人間関係に悪影響があっても続けてしまう状態を表す言葉です。ただし、「依存」「嗜癖」は幅のある概念で、正式な診断名ではありません。医学上は対象や診断基準に応じて、アルコール依存症、ギャンブル障害、ゲーム行動症などと評価します。SNSや買い物へ熱中しているだけで病気とは決めず、コントロールの難しさ、本人の苦痛、生活への支障を総合的に確認します。
特徴
中心となる特徴は、減らすと決めても守れない、予定より長く続ける、ほかの活動より優先する、健康や金銭の問題があってもやめられないといったコントロールの障害です。物質によっては、同じ作用を得るために量が増える耐性や、中止時の震え・発汗・不眠などが現れます。ただし、耐性や身体依存だけで依存症とは診断できません。医師の指示どおりに薬を使用していても身体依存が起こる場合があるため、精神依存・身体依存との違いを含めて専門家が評価します。
どんな人がなりやすいの?
依存・嗜癖は、意志が弱い人や特定の性格だけに起こるものではありません。遺伝的ななりやすさ、対象へ触れやすい環境、年齢、強いストレス、孤立、不安や抑うつ、睡眠の乱れなどが複合的に関連しますが、どれか一つが原因とは限りません。つらさを一時的に和らげる目的で飲酒やゲームを繰り返し、それが唯一の対処法になる事例もあります。本人を責めず、量や時間だけでなく、始まった時期、きっかけ、健康、学校・仕事、金銭、人間関係への影響を整理することが大切です。
どうしたらいいの?
まず、対象の種類、量・時間、使った金額、きっかけ、前後の気分、睡眠や学校・仕事への影響を、記録できる範囲でまとめてください。支援プログラムの内容は、医学的評価、心理教育、動機づけ面接、認知行動療法、再発予防、家族支援、自助グループ、対象に応じた薬物療法などです。治療の目的や、やめる・減らす方針は重症度と安全性に応じて個別に決めます。アルコール依存症や一部の睡眠薬・抗不安薬による身体依存では、急な中止で重い離脱症状が起こる場合があるため、自己判断で断たず医療機関へ相談してください。
まとめ
回復における成功は、単に我慢を続けることではなく、健康、学業・仕事、人間関係を立て直し、自分で選択できる生活を取り戻すことです。再使用や再行動があっても治療全体の失敗とは限りませんが、放置せず、きっかけと支援内容を早めに見直します。一部の薬物では中断後に耐性が下がり、以前と同じ量で過量摂取になる危険もあります。減らせない、隠して続ける、借金や欠席・欠勤が増える場合は、精神科・心療内科、依存症専門医療機関、保健所、精神保健福祉センターへ相談してください。意識障害、呼吸低下、けいれん、強い混乱がある場合は救急対応が必要です。
こころの不調
行動面の不調